作成日:2021/10/18
待ちわびていた、訳でもないのですが、発売されたらされたでほしくなってしまい、購入してしまいました。2021年6月下旬に発表され、7月上旬に発売。値段は前世代と基本的に変わらず税込み49800円。A4サイズもありますが、こちらは税込み69800円。OEM品であることも前世代と同様。
前の世代では、Sonyから販売されているもの(DPT-RP1)とFCCLから発売されているもの(P02)がありましたが、今のところはFCCLのみから販売されています。
電子ペーパーは、いわゆる電子書籍(AmazonのKindleや楽天のKobo)のようなデバイスに使用されている表示装置で、スマートフォンや、ラップトップPCに使用されている液晶やOLEDなどと比べると、以下のような特徴があります。
描画を行っていない状態でも画面表示が維持される
色のついたドットが表示面に上がってくることで表現を行っているので、液晶のようにバックライトを当てたり、OLEDのように表示に発光を必要としない
これらの特性により、静止画表示時の消費電力が非常に低い。
発光体を見る必要がなく、目が疲れない
描画にインク的な物体(色々な方式があるのですが、ここでは説明しません)の物理的な移動を伴うため、応答性能が液晶に比べて低い。
インク的な物体をどれだけ移動させるかで濃淡をコントロールするので、表示が直前の表示に依存しやすい(残像みたいに見えたり残ったりする)。きれいに見せるためには画面を一度黒か白にリセットして再度描画するのが一般的(だと思われる)。
一応、世の中にはカラーの電子ペーパも存在していますが、コスト等々の理由からか、まだモノクロが主流です。今回の第2世代はどの辺に差分があるのか、実際に使ってみた感じをまとめてみようと思います。
表示面は第1世代とあまり変わらない。第1世代はQuadernoの下には何も表記がなかったが今回は「A part of your brain」との表記が入っている。
我ながらページ作成のタイミングが死ぬほど悪く、これを書いている間に10/12に新機能満載のソフトウェアアップデートがあったことに気が付いてしまいました。こちらについてはまた色々使ってみてこのページを更新ということになると思いますが、色とかペンが増えるということで、内容はざっくりとしか見てませんが、かなり期待できる印象です。ソフトウェア的な新機能とか正直増えなくていいので、こういう方向性のアップデートはいいと思います。何気にスクリーントーンとか張ったり切ったりできるとある分野の人にとってはコスパ良くなるんじゃないだろうかと思います。
…ちなみにアップデートを後回しにしようとした理由は従来機種だとPCからしかアップデートをかけられなかったからなのですが、よく考えたら、この機種から本体単体でアップデートできるようになったのでした。ということで、とりあえずアップデートだけはしておきました。
とはいっても、基本的に前の世代と同じ外観のものが来るにきまってますので、さらっと行きます。アップルとかソニーみたいに、箱開けた瞬間に製品がドン、と出てくることもなく、梱包に梱包を重ねた状態の電子ペーパーが出てきます。これだけ包まれてると前回同様筐体がもろいのかと不安になります。
基本的には同時に購入する専用カバーに入れないと不安なくらいもろいプラスチック製の筐体ですので、一応二度と見ないであろう裏面も写真に撮っておきました。付属品はペンと替え芯3本、替え芯抜きと充電用のUSBケーブルです。ACアダプタは付属しません(まあ、このデバイスを買う人でACアダプタが余ってないなんて人はいないでしょうけど)
電子ペーパー側のコネクタは流行りのType-C、ただし、規格はUSB2.0のいわゆる「なんちゃって」Type-Cです。ただ、最近はさすがにMicro USBは見かけなくなってきたので、標準的なコネクタでよかった。PDとかサポートしてませんが、そもそもそんなにバッテリは大容量でもないし、充電しながらでも使用できる(ふつうは机の上において書き物をするので)ので、規格的なところは気になりません。
ただし、全機種はここがMicro USBだったからなのか、筐体がもろかったのかはよく分かりませんが、ここにすぐひびがが入る。まあ、3個中2個(過去に購入したのはDPT-RP1とP02の二つだが、DPT-RP1はいろんなところが欠けてしまったので交換してもらったため、母数は3)ひびが入った(残りの1つは使用頻度が低いだけ)なので、標本数的には少ないですが、個人的には100%壊れる箇所だと認識しています。コネクタの挿抜回数よりは間違いなく少ない。
ここはType-Cの対称な形状になったことが機械的に良かったのか、今のところ、壊れる気配はありません。
開発者からしたら「なんだと!」って感じのこと言っていますが、書き味に関しては正直あまり変化を感じていません。前のモデルについても追従速度が遅いと思わないでもなかったのですが、個人的にはそういうものと思える範囲だったんですよね。描画も早くなったとか聞きますが、体感的にはあまり感じないです。重いファイルを開けるときは立ち上がり早いかなとは思いますが、サムネイル表示になるとそんなに全機種と変わらない感じです(体感的に)。それより、
ペンの充電が不要になった
付属品のペンがプラスチック製の細いものに変わった
ペンのファンクションキーが手元に2つ→手元1つ、消しゴム部分(ペン先の反対側)に1つになった
以前は消しゴムとハイライトキー固定だったファンクションキーが拡大、範囲選択に割り当て可能になった
ということのほうが大きいです。ペンの充電が不要になったのは大きいです。机の上での作業がメインなので、ペンは充電しながら使えるっちゃ使えるのですが、ケーブルが邪魔でかなり書きにくかった。
ペンがプラスチック製の細いものになった点については、シャープペンシルっぽくなって個人的には嫌いじゃないのですが、前のペンよりかなり脆そうなな印象で、いつか握りつぶしそうです。
ファンクションキーについてはいい点、悪い点あります。まず、キーの一つが消しゴムの位置に行ったのは結構微妙。なんでかというと、消しゴム機能は私の場合、手元のキーに割り当てるから(ハイライトに割り当てる人にはいいのかもしれません)。何か消したくなるたびにペンを裏返すのは動きに無駄があって非常に気持ち悪い。ただ、拡大機能に割り当てると、意外といい感じです。
ただ、ペンのファンクションキー(手元)の方の位置が若干ペン先から遠い位置に変更になっていて、消しゴムとして使う時に(個人的に)非常に押しにくい。そういう事情もあって、別売りのLAMYスタイラスペンを買ってみました。消しゴムボタン位置は若干良くはなっていたのですが、こちらはペン先の蓋があって、これも書き始めるときに1アクション増えるので、あまり使わなくなってしまいました。太いペンがいいんだ、って人にはお勧め。
ペンが細くなったからなのかは分かりませんが、オプションのカバーがふたを閉めたときにピタッとなるようになりました。カバーは結構変更点が多くて、一番大事なところが良くなった代わりに他はコストダウンされた印象(小売価格は変わってない)。このページの最初の写真に戻ってもらうと分かるのですが、ペンがカバーのホルダーに収まっています。
すごいバカみたいなこと言っているように感じるかもしれませんが、前機種は、Sony製もFCCL製も、どちらのカバーもペンホルダーが超使えなかった(出し入れがすごい面倒くさい)ので、すっと差し込めて、すっと取れる今回のカバーはポイント高いです。
ただ、前機種ではカバーに磁石が仕込まれていてカバーがピタッと閉まるのに対し、今回はペンの厚みの効果もあって、若干だらしなく開きます。あと、厚みが減っていて、厚紙っぽくなりました。前のカバーはとにかく安心できる厚み&柔軟性だったので、ここも残念。
あと、カバーにペンをちゃんと収納できるようになったからか、本体とペンを磁石でくっつけられなくなりました。磁石でくっつくのは、すぐに取り出せるという点で素晴らしい機能だったのですが、その代償として、ペンと本体の接触部分(本体に溝があり、そこにペンの羽を滑り込ませるという作りになっていた)のプラスチックがすぐに破損(筐体の中身が露出し、外に持ち歩けなくなる(防水性の観点で非常に怪しい)していたので、そういう意味では本体が堅牢になってよかったです。
段ボールの中はこんな感じで相変わらずワクワクしません。
Type-Cになってうれしかったのが機械的な耐久性が上がったっぽい点
上が第2世代で、下が前機種。背表紙にあたる部分が薄くなっている(ただし、カバー自体がなぜか安っぽくなっている)。
カバーを閉じて上から見た状態(右が第2世代、左が前機種)。カバーの刻印が「Fujitsu」からブランド名の「Quaderno」になっている。
上の方にも書きましたが、今回の機種は本体のみでアップデートができるようになっているので、あまりPCアプリは気になりません。普段の使用時も、Android用のアプリで済ませることが多いので、意識しないです。ただ、同じメーカーで前機種と今回の機種でPCアプリが違うのは勘弁してほしい。これに気が付かなくて、最初のセットアップに1時間くらいかかりました。
細かいことが多いですが、気が付いた(実感した)点を上げます。
バッテリ表示が%になった
斜めの線が書けるようになった
機能が増えた関係で、拡大ボタンを(ピンチではなく)画面操作で行おうとすると、2動作必要なことがある。
→この関係で拡大機能のファンクションキーへの割り当てが必須に。
上と同じ問題だが、範囲選択、拡大ボタンを表示させようとすると、PDFの上部が表示されなくなり、スケジューラが使いにくくなる。
(スケジューラの上部に個別のスケジュールから月のスケジュールに移動するリンクがあるが、これが押せない)
デフォルトの色が黒にできるようになった
(電子ペーパでは全部黒で表示されるので、気にはならないが、カラー画面で表示したときに結構気になる)
マーク検索はあまり精度変わってない
→星(☆)とアスタリスク(*)を認識できるとあるが、小さい点も誤認識で検索にヒットすることが多い。
→試しに今やってみたところ、手書きの&がHitした。ちなみにHitした&は毎日コピペしている箇所に含まれているため、ほぼ全ページが検索にHitすることになる。
(ただ、あまりこの機能は使わないので、気にはならない)
1回しかないが何度ペンで書いてもすぐに消えてしまうPDFがあった(正確には特定のページだけでそういう現象が発生した)。そのページのみ削除したら現象は再現しなくなったが、スケジューラで同じことが起こると嫌だなぁ。。。
設計が変わったからか、無線LANが動作している時に、本体右側がほんのり暖かくなる
→iPadとかと比べて明らかにいい点の一つなので、何とか頑張ってほしい。あと、心なしか充電間隔が短くなった気が。
電源ボタンが緩くなって押しにくい(1回で押せないことがあって若干イラっとする)。ただし、個体差の可能性あり。
これも細かいですが、書いておきます。
バッテリ表示の横でいいから時刻の表示をしてほしかった
コピペは連続でペーストできるようにしてほしかった
充電中、CHGの表示が出るのはいいが、何%かも表示してほしかった
書いた後になって思いましたが、時刻と%は動的に表示が変わるから嫌なのか…