最終更新日:2021/1/20
基本的には過去、ないし現在において大変お世話になっているお店の紹介です。とりあえず行ってみたので評価した、という程度のものは入れません(混雑状況、店員さんのめぐりあわせ等あるので)。あと、点数もつけません。人の評価軸はそれぞれ異なるので。可能な限り多くの判断材料は入れたいと考えております。
基本的に許可をいただいてから書いてます(廃業の店は除く)。事前に文面のチェックはしていただいていおりません。店のセキュリティに関わることは書いていないつもりですが、何かあったらごめんなさい。単価は本当に1杯だけ飲んで帰ったらこれくらいの金額になる、という金額を書いております。結局は何を頼むかで値段は大幅に変わりますので、ぼちぼち値段を聞きつつ、安全に飲んでください。
神田以外も書きたいのですがそんなに色々知っているわけではないので、多分あまり増えないです。
本項では、ウイスキーのシングルモルトを、それもどちらかというと蒸留所元詰めではなく、ボトラーズウイスキーや、蒸留所元詰めだがレアなものを飲むユーザ層を対象に、
バーの探し方
バーの通い方
バーの楽しみ方(筆者の例)
あたりを中心に議論していこうと思います。あくまで予定なので不定期更新予定。
バー、と書きましたが、初めにここで言うバーの定義をしておきたいと思います。分類(用語)としてはオーセンティックバー、というのが感覚的には近いです。ただし、必ずしも当てはまるわけではないので、できるだけ具体的な例を挙げて定義を共有します。というか、オーセンティックバーの定義って何?ってなるので話が進んでませんね。すいません。
―窓がなく、重い扉を開けるとバーコートを着たバーテンダーがカウンターに一人、ないし二人いて、すすめられた場所に座り、軽く話して、気分にあったカクテルを勧められるがままに飲む―
漫画やテレビで見るバーのイメージに近いと思うのですが、いかがでしょう?個人的な経験の上ではこれが近い(と信じています)。漫画の「バーテンダー」とかに出てくるバーのイメージですかね。後は「レモンハート」とか。うん、とりあえず、そうしましょう。
違うのは、カクテルをメインに飲みに行くわけではないということ、出てくるのが基本的にはウイスキーであること。もっと言うと、特に推奨されるわけではないが、ストレートで飲むことが多い、ということも付け加えておきます。余談ですが、モルトウイスキーの品ぞろえの多いところはカクテルができなかったり、あまり材料がなかったりすることが多いと思います(私が行くところだけかもしれませんが)。
では、そういったバーにはどうやって行けばいいのか。
しかし、窓がなく、扉も重いバーに飛び込みで行くのは多分つらい。そして、当然のことながら、バーテンダーの性格や、お酒のチョイスにはそれぞれ特徴があるので、人によって合う、合わないは確実にあるわけで、人に「ここは良いよ」と言われても、自分にとって良いかどうかはまた微妙。無論、最初から目的が決まっていて、「とにかくレアなモルトウイスキーをリーズナブルな値段で飲みたい」とか、「アイラモルトが充実している」とか、「ジャパニーズがそろっているところがいい」とか決まっていれば、ウイスキー・ライジングなどの冊子に載っているバーを訪問するのもありだと思う。何しろ、モルトウイスキーは(特にレアなウイスキーは)流通量が限られたマーケットなので、レアなボトルは有名店に集まりがちで、オールドボトルも、安く手に入りやすかった時代に確保しているお店で、今も続いているところで飲めることが多いので、そういうお店は結局そういう本に載っている店ということになると思います。
また、これらのお店のバーテンダーであれば、基本的には横のつながりも強いので、行ってみた店が、仮に期待からずれていたとしても、「次はここに行った方が良い」と教えてもらえる(もちろん、自分から、あまり失礼にならないように聞くべき)。つまり、本当の初回に大事なのは、次を適切に紹介してくれるバー(これが不要な場合が一番幸運だが)に行き、自分の言いたいこと(どういうバーに行きたいか、またはどういうウイスキーを飲みたいか)を伝えることになると思います。本に載っている店はそういうことを向こうから聞いてくれると思います。そういった意味では、初めに行くのはスタッフが少ない店を勧めます。良くも悪くもバーの印象はその時接客したスタッフによって左右されます。したがって、スタッフの多い店だと、接客してくれる方や、状況(混雑具合)などによっては悪いところが見えやすくなる場合もあります。
そういう意味では、訪問する時間も検討に値します。空いている時間に訪問した方が良いと思います。このページで議論しているバーについて言えば、一般的には開店直後は空いています。他は、お店の立地や、メインの客層によって変わりますが、深夜が比較的空いているところや、週末が比較的空いているところなど。
そういう意味では上に挙げたバーはおすすめです。1人か2人で、固定のメンバーで営業している店が多いので、たまたまバイトの人しかいなくてなんか思った通りにならなかった、というようなことになる可能性は低いと思います。
初回から期待するバーを訪問できる可能性をさらに上げるためには、普段からバーに行ったことのある人に連れて行ってもらうことになるかと思います。ただ、この場合は今述べたような悩みはないはずなのと、人選に大きく依存するはずなので、ここでは議論の対象外にさせていただきます。
また、本に載っているような店が近くになかったりする場合は自分の行ける範囲で探すことになるかと思います。この時はどうしても外見の印象で判断するしかないわけですが、個人的な印象を述べますと、モルトウイスキーが豊富で、それなりによさげ(良かった)店の特徴を思い出してみますと、
ウイスキーに強い(品揃えが豊富)なバーは、たいていは店の入り口付近や窓際に見たこともない(高級だったり古かったり)するボトルの空瓶が並べてある。
上に書いたバーの話と完全に反するが、モルトウイスキーをメインに扱うバーでも、外から中が見えるようになっているバーは、入りやすいし、人に薦めやすいことが多い。
実際に綺麗かどうかは保証できないが、入り口が清掃されている印象を受けるバーは割といい店が多い。
反して、モルトウイスキーの品ぞろえが多いバーは店内に段ボールとか積まれがち。あと、このタイプの店はカクテルを出すことをあまり前提にしていない。
といった感じです。ちなみに、この手のみせは、一杯当たりの値段は店の外側にないことが多いです(あってもShot xxx円から、程度。書ききれないのと、値段を書いても誰も見ないのと、価格の幅がありすぎて、あまり当てにならないことが理由だと思います)。
逆に「お酒何種類あります」みたいなバーは経験上該当しないです。50とか100はカクテルに使うようなものもカウントに入れると簡単に言ってしまいますので、居酒屋と大差ないです。300とか1000とか行くと、期待してもいいかな、と思います。
あと、自分ではやっていないので、失念していましたが、ウイスキーの試飲会(ウイスキーフェスティバルとか)ではブースのお手伝いをしているバーテンダーの方や、ブースを持っている方、試飲・顔出しで参加している方が多くいらっしゃいますので、これらのイベントを活用すると、お店に行く前に目当ての店のバーテンダーの人となりを知ることもできますね。
似たような方法で、モルトウイスキーの品ぞろえが多い酒屋の常連になっておいて、バーテンダーの方が来たら紹介してもらうようにお願いしておく、とかも出来るのではないかと思います。
他にも色々方法はありそうですね。思いついたら書いてみます。
バーに行き、そこが気に入った時、逆にこちらも顔を覚えてもらえると嬉しいですよね。上に挙げたような漫画のバーテンダーたちは、何かと理由をつけて、数十年前に一度だけ来たお客さんを覚えていたりするわけですが、実際にはそんなことは(あまり)ありません。そもそも、覚えてもらえるようなエピソードが発生しているかどうかもよく分からないわけで。なので、こちらからも、少なくとも覚えてもらう努力(というほどのこともないですが)はした方が良いと思います。ただ、かまってくれアピールしたくもないと思うので(これはこれで覚えていただけるとは思いますが)、そうでない方法をいくつか。
短期間、かつ同じ時間帯に何度も通う。
その店の常連(会社の同僚とか)に連れて行ってもらう
素直に店のことをほめる(ただし、具体的に)
店の商品やウイスキーのことを色々教えてもらう
クレジットカードを使う
一番簡単だと思うのは1です。2も楽です。3,4は何というか店の雰囲気を読むことが必要なので、結構難しいと思います。5番は自分ではやったことないですが、結構名前は覚えてもらえる可能性が高いはずです。筆者は、お酒関係の店では現金払いにしていることが多い(クレジットの(店側)手数料やサイト(支払いまでの期間)に配慮している)のですが、最近は手数料や期間もかなり短くなっているので、お店によっては防犯考えたらクレジットの方が良いと考えることも多いみたいです。
慣れてきて、自分で注文の組み立てができてくると(あるいはその組み立てが特徴的だと)、勝手に覚えられるようになると思いますので、本当に最初の方だけですね、使うのは。
まあ、このタイトル通りの意味の話をすると、それぞれが、それぞれ楽しめばいい、で終了なのですが、個人的な経験を踏まえた話を追記していこうと思います。
まず、お店の多様性という意味での楽しみ方を。ここで議論している「バー」はモルトウイスキーがメインのバーなわけですが、それでもそれぞれに特徴があります。狙って特徴を持たせているバーもありますし、仕入れ先の傾向が出ているバーもありますし、店主、店員の趣味が出ているバーもあります。
よくあるのが蒸留所、地域注力型でしょうか。引きの強いものでないと意味がないので、ジャパニーズ重点とか、アイラ重点とか、人気蒸留所重点とか。
その他だと、「何とかシリーズ」がそろってますとか、特定のボトラーはたくさんあるとか、特定の仕入れ先の物(スコッチモルト販売とか、エイコーンとか、スリーリバースとか)に重点を置いているところなどは多いですね。後は、海外向けボトルを色々持っているところとか。レアなものを仕入れようとすると、特定の仕入れ先との結びつきが強い方が良いので、実際問題このタイプになることは多いと思います。流行を追いたい人には適したタイプのお店だと思います。ただし、比較的ボトルの回転は速い傾向にあるので、発売したら即開栓するようなバーの場合は、早めにいかないと飲めないことも多いでしょう。
後は店主が昔からストックしている在庫を少しづつ出してくれるパターンで、これは店主の好みが出ます。コスパのいいもの、好きな味(蒸留所が違っても似たような味のものはあるので)に偏っているところ、限定品を買いあさっている人、など色々あると思います。ボトルの回転がそれほどでもなく、ゆっくり楽しめることが多いのではないでしょうか。
人気のあるお店についてはどの店もオーナーのキャラクターは立っているので、それなりに会話を楽しむことはできるかと思います。基本的に「似ている」ことはあっても完全に同じキャラクターの方に別のお店で出会うことは少ないので、初めて行ったお店で微妙だと感じても、バーがそういうものだと思わず、何回かはトライしてほしいと個人的には思います。ただ、何件もお店を持っているバーの違う店に行った場合、たまたまこちらに応援にきている、なんてこともあるので、その点はご注意ください。
気になることはいくつかあると思いますが、パッと思いついたものをいくつか挙げると、
メニューはないのか
どういう順番で頼めばいいのか、どういうものを頼めばいいのか
「おまかせ」ってどうなの
今飲んでいるものが無くなったらすぐに頼まないといけないのか
フードは?
とかその辺でしょうか。とりあえず、順番に書いてみます。
まず、メニューですが、これはお店によります。スタンダードのメニューが決まっているお店は存在します。カウンターだけのお店はないことも多いです。一元のお客さんが多いところも用意していると思います。単に面倒で作っていない場合や、スタンダードのメニューがないので作らないという場合もあると思います。ぼったくり的な意図がある場合があるかはよく分かりません。
次に、注文の順番や、どういうものを頼めばいいのか、ですが、これは基本的には好きなものを頼めばいいと思います。ウイスキーを注文する場合は、アルコール度数の低いものやあまり味の濃くないもの、ピートの効いていないものから始めてだんだんそういったものに変えていく、みたいな話はなくもないですが、良くない組み合わせに結果的になってしまっても、自分で責任を持つという前提で、自分で決めればいいと思います。ただ、あまりにも悪い順番(シェリーのカスクストレングス、ヘビーピートから度数低いシェリー)で頼もうとすると、あまり味が分からないのではないかとご指摘いただけると思いますので、それも踏まえて自分で決めてください。ただ、混雑しているときに手順の多いカクテルなどを注文すると、お互い、あまりいい気分にならないので、それくらいは注意した方が良いかと思います。
後は注文するものの値段でしょうか。最初の方に高い(または貴重な)ものを注文するのは、味が分からなくなるうちに良いものを飲むという意味で正解ですが、そのお店にどれだけ通っているか、そのボトルがどれくらい貴重か、お店がどのような価格設定をしているかによって、注文するかどうかを決めた方が良いと、個人的には思います。バーの価格設定はお店により、まちまちですが、価格の高いボトルに対して、比較的低いマージン設定をしているお店もあります。その意図は、普段来てくれるお客さんに対して少しいいものを少しお手軽に飲んでほしいということだったりするので、もしあなたが常連でないのだとしたら(まあ、常連の定義はよく分かりませんが)、遠慮する、または注文していいか確認した方が良いかと思います。無難なのは、今日何杯飲んで、最後にこれを飲みたいので、何かお薦めで出してくださいと頼むとか、そんな感じだと思います。
何杯目以降からは少し貴重なものを飲ませてくれる、とか、そういうポリシーを(暗黙に)持っているお店もありますので、雰囲気を見ながら、になるかと思います。
他のお客さんが飲んでいるものが貴重そうな場合は「あれ飲みたいです」はいきなり言わない方が良いかもしれません。
あと、モルトウイスキーの多いバーはハーフショット(多分15ml)が基本だったり、何杯以上飲む場合はハーフショットでもいいという場合などあるので確認していただければと思います。あと、モルトウイスキーをメインにしているバーは加水用の水を用意してくれると思います。それから、ストレートで飲んでおいしくなかった場合はロックに変更してもらうとか、出来ることもありますが、その場合はその可能性を事前に伝えた方が良いのと、ハーフショットでの注文の場合はやめた方が良いです。(単純においしくないと思います)
余談ですが、ショットの注文は「ショット」でと言った方が良いと思います。「フルショット」という人がたまにいますが、多分、日本人しか言わないのではないかと思います。基本の量がハーフでフルならまだ分からなくもないのですが…
次の「おまかせ」ですが、そんな頼み方をすると、「どんなに高いものをだされても文句は言えない」とか、「ある程度具体的にどういうものを飲みたいといった方が良い」とか書いてあったりしますが、訪問するお店のボトルを把握しているわけでもないのに細かく頼めるわけもないし、自分が知らないものを頼めないなど、注文の幅を狭めてしまうのでは?ということもありますし、指定しても期待に合ったものが出てくるわけでもないので、うまく様子を見ながら注文するというのが現実的な感じになると思います。
金額的な観点からは「3杯飲むと大体いくらくらいになるか」「予算額はいくら(近づいたら教えてほしい)」とか、そういったことを最初に聞きつつ、後で自分からも確認するのが寛容かと思います。
味的な観点からは、「普段飲んでいるウイスキー(ブレンデッド、モルト問わず)」「好きなウイスキーや、系統、地方、蒸留所」「普段通りがいいか(あるいはそうでないか)」「度数が高くても大丈夫か」などを話し、ついでに気になるボトルがある場合はそれも言っておくとか、そんな感じになると思います。
注文の感覚ですが、これは完全にお店次第で、空になった瞬間にオーダー取りに来るところもありますし、こちらから言わないと割と放置気味のところもあります。ただ、お店にいる以上はあまり間を置かずに注文はした方が良いと思います。
フードの注文については、別に好きな時に頼めばいいのですが、食事をするような飲食店と違って、それほど早く出てくることはないということだけご注意ください。例えば、お店に入って、ハイボール頼んで、食事頼んだら、食事きたときには3杯目とかは、まあまああり得ます。メニューにもよりますが、他のお客さんの注文に便乗するというのは場合によってはありです。あと、混んでいるときには本当に出てこないこともあるので、その場合は、状況確認しつつ、キャンセルもありだと思います。