作成日:2019/8/17
2017年にケイデンヘッドが175周年を記念して、様々なボトルをリリースしました。単にボトルのネックにそれを示すタグが付いている&箱がタータンチェックのものもありましたし、本ボトルのように175と記念を明確に示すものもあり、かなりの種類がリリースされています。2017年は既にウイスキーの値段が高騰し、記念といっても中々詰められないのでは?と思っていたりもしましたが、そこはケイデンヘッドということで、「まだ持ってたのか!?」と言わせる銘柄(特に閉鎖系がすごかった印象)が数多くリリースされました。「175」の表記があり、かつ飲んだ記憶のあるものを上げると以下の通りです。
他にもヘブンヒル(バーボン)とかあったはずですが(多分)飲んでいません。他にはウイスクイーから「175」の表記なしで日本向けにプルトニー、リンクウッドなどが出ていて、リンクウッドはかなり美味しかった記憶があります。上記はどれもそれなりに長熟で、基本的には25年を超えているような感じです。で、このラフロイグですが、まず、シェリーカスク。シェリーカスクの、それも長熟のラフロイグはかなり貴重です。大抵はあってもかなり若いものが多いです。ただ、不思議とピートがシェリーと喧嘩しているようなものはない印象です(余市でかつて売られていた蒸留所限定の15年はシェリーカスクでしたが、ピートもシェリーも強く感じる、まさしく喧嘩しているものが多かったです)。ただ、開栓直後に飲んだ時は硬さもあって、実はそれほど美味しくは感じませんでした。点数でいうと89点くらい。まあ、「うまいっちゃうまいんだけど、記念か?」みたいな(失礼)。しかし、コメントにあるように時間を経て(大体開栓してから1年以上たっています)、複雑な味を感じられるようになってきました。も最初から感じていた人もいるんだと思いますが。まあ、このボトル自体、全世界で180本しかないので、何回も飲めるようなものでもないのですが。
正直、ボトラーのウイスキーは、そのボトラーの味があって、蒸留所の元詰めとは違うことが多いです(個人的にはシグナトリーのアンチルシリーズは、蒸留所元詰めを「薄く」した印象の強いものが多く、そういう例外はあります)。しかし、これはオフィシャルの25年カスクと言われても分からないと思います。ただ、その場合は10万円くらい軽くいきそうなくらいの複雑さ、味わいがあります。こんな樽を抑えているケイデンヘッドはさすがに老舗のボトラーだけあります。200周年にも期待したいところです(それまでウイスキーが飲めればいいですが)。
90点を超えていることからも分かるかと思いますが、まず、欠点はないです。そして、際立った、圧倒的な香味がないのですが、全体のバランスが非常に良い。ただ、まあ、ラフロイグではあるので、苦手な人は飲めないと思います。
ラフロイグ好きの筆者としてはこのボトルに出会わせていただいた幸運に感謝する以外ありません。
15年、30年が消えて以来、ラフロイグのシェリー樽熟成の香味を感じる機会は激減してしまいました。30年後くらいにはまた出会えることを心から祈ります。