作成日:2021/8/3
最近のラフロイグの限定ボトルはこういう色味のものが多いような気がします。
メーカ:ビーム サントリー
地域:イギリス、スコットランド、アイラ島、ラフロイグ蒸留所
ステータス:(限定品のため明記せず)
容量:700ml
価格:約10000円(送料、税金除く)
タイプ:シングルモルト
年数:不明
度数:58.9度
点数:85点(加水で+2点)
テイスティング的コメント:香りは、煙、ヨード、奥にサルファー、アルコールのアタック強い。口にすると、煙を食べるイメージ、海藻、ダークチョコレート、ピート、塩。加水でシェリーのニュアンス、オレンジ風味のチョコ。かなり飲みやすくなる。さらに加水するとチョコレートが増す。塩キャラメル、ピート。余韻は舌の上にペッパー、海藻が長く残る。ドライな印象を持つ。
飲んだ場所:自宅
その他:ex-Bourbon、ex-Bourbon Quarter Cask, Pedro Ximenez
毎年恒例のアイラフェスの時期に合わせたFoL(Friends of Laphroaig)向け限定ボトルです。人によってはフェスボトル、とかいうのかもしれませんが、このシリーズのボトルはそういった表記はしていません。(少なくとも2009年以降でその表記を見たことはないです)。あくまで、2021年のCairdeasボトルという位置づけです。リリース本数も多く、オンラインで購入も簡単なことから、日本でも買っている人は結構いるのではないかと思います。このシリーズは、定番のラインナップと比べて珍しいタイプの原酒を使用することが多いのですが(例:フィノシェリー、ポートワイン)、今回はペドロヒメネスシェリー樽を熟成の一部に使っている、という以外は割と普通のラフロイグっぽい構成です(バーボンカスクで熟成、クォーターカスクで追熟、ペドロヒメネスでフィニッシュ)。こうやって書いてみると、クォーターカスクのPXフィニッシュ(のカスクストレングス)ということですね。近年はクォーターカスクのカスクストレングスやトリプルウッドのカスクストレングスのリリースだったので、そういう意味では妥当な流れなのかもしれません。
ただ、このボトルのリリース直前に10年のシェリーフィニッシュ(写真)という、中々のリリースがあっただけに、今回は正直ここを超えてくるとはあまり思っていませんでした。まあ、点数をご覧いただければ予想がどうだったかはご理解いただけると思います。
テイスティング的にはコメントをご参照、というところですが、もう少し言うと、セレクトとクォーターカスクを足してシェリー樽っぽくした、そんな感じの味でした。加水しないと中々ゆっくりは味わえない感じです。コメントした通り、加水するのがよいかと思います。ちなみに、ハイボールはまあまあ美味しいのですが、10年シェリーほどは感動しなかったのと、コストがなぁ…(通常はサマリのところに記入する価格は送料、税金込みで書くのですが、それを含むと単価が15000円超えてしまい、冷静にボトルを見られなくなるなぁ、と思ってしまい…)
やはり、今年は送料Upが衝撃的でした。2010年時点では10.5ポンド(当時の価格で2000円くらい)で、それが一回上がって30ポンド(当時5000円くらい)となった時も相当な騒ぎ(当時はFoLの商品のページにコメント欄があって、「送料高すぎだろ」のコメントで埋め尽くされていたものですが、今回は一気に73ユーロ(1万円弱)となったわけです。ちなみに今回のボトルは1本あたり約70ユーロで、最大購入本数は2本なので、2本買うと1本分の送料を取られる、という事態です。
ちなみに、今年の4月に同じところで購入したラフロイグ10年シェリーフィニッシュの送料が7本で100ユーロ(13000円)だったことを考えると、予告のない大幅な値上げでした。参考までに昨年のCairdeasを3本購入した時の送料は60ユーロ(8000円くらい)でしたので、かなりの値上げだと実感いただけるのではないでしょうか。
まあ、昔の2000円は安すぎたと思いますが、今回はさすがに高いと衝撃を受けました。発送は(ラフロイグにしては)早かったです。いつもは船便かと思うくらいには遅いので。。。ちなみに、梱包は今までよりだいぶしょぼくなってました(10.5ポンド時代くらい)。届いたボトルの片方はラベルが少しはがれていて、国内の酒屋であれば「ラベル汚れ」で10%くらいは安くなるのではないかと思います。
海外サイトでウイスキーを購入する際の送料は5,6年以上前は単純な従量課金、それ以降は1本目が30ポンドくらいで、以降は重量に比例(1本ごとに6~8ポンドくらい乗るイメージ)というような感じなので、そこからすると非常に高いと思います。
たまーに送料無料(ここ10年で1回はあった)とかあるので、そういう時を狙うしかないのかもしれませんね。そうすると、こういう限定品は買えませんが。
直近では(すでにマーケットには出回っている)カスクストレングスのBatch13が控えてますが、ボトルよりも送料が気になって仕方がない今日この頃です。
ボトル以外のところでこれだけ衝撃を与えつつ、味は普通で特別な感じがない、というものある意味で衝撃です。レアかどうか、美味かどうかは別として、面白いチャレンジが多いシリーズなので、来年以降はまた狙ったボトルをリリースしてほしいところです。
ここ数年、ラフロイグのCairdeasといえば、次の年になっても買えるくらい購入が楽なボトルだったのですが、今年はどういうわけか在庫がない。発売から数日でOut of Stockになり、一週間後くらいに復活したものの、またOut of Stockに。毎年数千本はボトリングしていたのですが、今回はいったいどの程度の本数だったのでしょう。すぐなくなってしまったのはおそらくはBallotでの購入だった2015年以来ではないかと思います。ラフロイグは比較的原酒の手持ちがあるのかと思っていましたが、意外とないのかもしれませんね。