作成日:2020/12/20
あまり見かけない平べったい瓶。ネック部分に植物がプリントされており、個人的には「花瓶」にしか見えない。意外なことにコルク部分は通常のモルトと互換性があった。(抜栓時に当然のように折れましたので助かった)
メーカ:蒸留所元詰め
地域:イギリス、スコットランド、ハイランド、ディーンストン蒸留所
ステータス:終売
容量:700ml
価格:6000円くらい
タイプ:シングルモルト
年数:25年
度数:43度
点数:85点
テイスティング的なコメント:香りはモルティ&ハニー&リンゴ&梨。麦感の強さにハイランドらしさを感じる。長熟だが樽感は感じられず、穏やかで華やか。何とはなしに味を期待させる。口にすると、ワクシーからのスパイス。ドライにも感じるが、辛くはない。若干のオイル。モルティ。口を重ねると、徐々にアルコールの強さ。さらに重ねるとエステルと甘み。グレープフルーツのわた。加水すると力を失う。余韻は弱いモルト(麦芽)の感覚が少し残り、ふわっと消えていく。
飲んだ場所:自宅
5年以上前に買ったボトルです。四国に行ったときに酒屋で見つけて買ったはずです(曖昧)。ぼちぼち酒屋を回ってもいいのが手に入らなくなってきた頃だったと思います。ただ、このディーンストンは当時でもたまに見かけるボトルではありました。値段も上に書いた通り、年数を考えると大変に安いのですが、わさわざ買うほどのものでもないと認識されていたのだろうと思います。ボトラーでもそんなに出てこない銘柄ですし、どこ地方?スペイサイドだっけ?とか思うと実はハイランドでした、みたいな。しかも、北の方ではなく南で、エジンバラの近くなので、本当に微妙な感じ。
筆者自身、ディーンストンをこれしか持っておらず、買った動機も「スコットランドの全蒸留所をコンプリート」とかそんな感じだったと思います。そのロジックだとまたディーンストンを買わないといけなくなるわけですが、買うかどうかは微妙。ディーンストンがどうこうとか言うより、閉鎖蒸留所はいい加減買えない感じになってきたので。グレンフラグラーとかグレンアルビンとかグレンロッキーとかを今から一生懸命購入したいかというと、そのモチベーションはないという。
モルトを語る際、費用対効果を考えるのはあまり好きではないのですが、その点から行けばこのディーンストン25年はまあまあです。コメントも私にしてはまあまあ色々なフレーバーが出てきているように、それなりの複雑さはありますし、度数もあまり高くないですし、悪くない、と思います。樽感のなさなど、「これ本当に25年も熟成させたの?」と思わなくもないですが、まあ40度に調整されていることを考えればこんなものかなぁと思います。ただ、単に味を追求するのであればこのくらいの値段で買える美味しいモルトはたくさんあるわけで、そう考えるとやっぱり「まあまあ」な気がします。これが売れてなかった頃は逆輸入の山崎18年とか白州18年とか1万円で売られていましたし、マッカラン18年も似たような値段でした。ただ、スプリングバンクの10年が8000円とかしている2020年現在の日本の相場で考えると超コスパ良いってことになるんでしょうね。ちなみに、Whisky Baseで値段がどんなもんか見てみると300ユーロくらいにはなっているので、このディーンストンでも値上がりするんだな、と微妙な気分です。ただ、個人的にはスコアは85点で、特に欠点があるものでもないので、似たような値段で売っているのであれば、試しに買ってみてもいいかと思います。
他のハイランド(オードとかグレンゴイン)とかと飲み比べると楽しいと思います。現行の18年とかは1万円くらいで買えるので、何かの機会に試してみたいと思います。