作成日:2020/7/19
一見すると分かりにくいがワイン樽らしいと思わせる赤みがかかっている。
メーカ:ビーム サントリー
地域:イギリス、スコットランド、アイラ島、ラフロイグ蒸留所
ステータス:(限定品のため明記せず)
容量:700ml
価格:73.3€+送料等(大体12500円くらいでした)
タイプ:シングルモルト
年数:N/A
度数:52度
点数:88点
テイスティング的コメント:香りはガンパウダー、赤ワイン的なタンニン、ブドウ、チョコ?それからスモーク、時間がたつとネクター的な果汁感。口にするとワイン由来の苦み?温かいピート、ほのかにピーチ。二口目から苦みは弱くなる。カリラ、ラガヴーリンにもよくある草っぽさ。香りに感じたアルコール感はあまり感じない。加水で黒糖。余韻は口当たりとは異なるピート、スモークが穏やかに続く。加水でさらに弱く。
飲んだ場所:自宅
2020年のラフロイグの限定ボトルですが、今年のアイラフェスティバルはオンラインなので、フェスボトル、というのかどうかというところはありますが。今年は近年続くシステムトラブル的なことも、発送の遅れもなく、過去最速の5月下旬のリリースになりました。この記事を書いている今でさえ普通に買える、アイラフェスティバル系としては最も入手難易度が低いであろうこのボトル、今年も入手いたしました。このアイラフェスティバル向けボトルは、私が初めて出会ったのが2009年の12年で、これに感動して以来、2014年を除いてすべて購入してきました(2013年か2014年に送料を含めて大幅に値段が上がってやる気がなくなった、と記憶しております。一応、どこかのバーでこの年のボトルも飲みましたが、それでも買わなかったことからお察しください)。つまり、これが私が購入したボトルとしては10種類目、ということになります(実際にはアイラフェスティバルボトル以外で15年がリリースされているのでCairdeasとしては11種類目ですが)。
昨年よりも若干の値上げにはなっていますが、個人的には蒸留所元詰め的な良さも、限定品的な遊びもあってなかなかいい出来だと思います。
スコッチウイスキーといえば、バーボンの熟成に使用した樽、またはシェリーに使用した樽を使うのが伝統的ではありましたが、シェリー樽の確保は現在はかなり難しいらしく(ウイスキーの生産量がここ数年は増えている一方でシェリーの生産量はずっと減っている)、ワインなどのほかの樽を色々なブランドで使ってきているのが現状です。なので、伝統的なシェリー樽熟成のウイスキーが好きで、今後も飲み続けたいのであれば、実はもっと頑張ってシェリーを飲まないといけなかったりするのですが、まあ、これ自体は今に始まった話でもなく、ワイン樽熟成の長期熟成タイプのウイスキーも何年も前から存在はしています。ただ、それをメインにしているという例はあまりないのではないかと思います。ワイン以外だとラム樽が比較的よく見かける気がしますが、世界各地でワインは生産されているので、クラフト系のウイスキーは地元のワインを使っていくようになるのではないかと思います。イスラエルのMilk & Honeyは最近やっと定番品を出すようになってきたので、ここにワイン樽を投入してきそうな気がします。
基本的にはシェリーの代替的な位置づけだと思われるので、使われるのは赤ワインとか、ポートワインとかが多い印象で、これらの特徴はやはりタンニンなのだと思われます(グレンマレイとかシャルドネカスクを出していたりするので、絶対に赤でないとだめということもなさそうですが)。
正直、ポートワインとかほとんど飲んだことないので、何とも言えませんが、赤ワインカスクのウイスキーは、シェリー樽熟成のウイスキーよりも透明度の高い、若干明るめな赤になり、タンニン的なニュアンス(あるいはただの苦み)を感じることが多いです。今回のラフロイグは、ニュアンスは弱いけど、確かに赤ワイン(あと、多分ポートワイン樽)という程度の主張で、むしろ印象が強かったのは甘みの部分です。ボウモアとはまた違いますが、時間を置くとジワリと甘みが出てくるアイラモルトは個人的にかなり好きです。点数はその辺の甘さが出ているかもしれません。
また、度数が52度と比較的低いボトリングなのも、飲みやすくてよかったのかもしれません。