作成日:2022/10/22
メーカ:蒸留所元詰め
地域:イスラエル、テルアビブ、ミルク&ハニー蒸留所
ステータス:販売中
容量:700ml
価格(サイズ酒販の販売価格):
クラシック:4980円(2022年10月23日、欠品中)
エレメンツ:6490円(2022年10月23日)
タイプ:シングルモルト
年数:なし(多分3年前後)
度数:46度
点数:
クラシック:83点
エレメンツ(赤ワイン):83点
エレメンツ(シェリー):82点
エレメンツ(ピーテッド):82点(加水時83点)
テイスティング的なコメント:(概要が長くなってしまうので本文に掲載)飲んだ場所:自宅
ついに、イスラエルの蒸留所のウイスキーが日本で普通に買える時代が来ました(円安ですが…)。イスラエルの町の中にある、町工場みたいな外見の、金持ちの道楽で始めたようにも思える、Milk & Honey蒸留所、筆者は約5年前に見学に行った蒸留所です。一応スコットランドに倣って3年熟成でレギュラー品、ということで、当時はまだハウススタイルも何も決まっていない状況で、ただ、ニューポットがが意外とおいしかったり、8か月熟成(いずれレビューしたいと思います)もかなり良かったりと、期待の持てる蒸留所で、2017年あたりからシングルモルトとしてのリリースが始まっています。これまでは、基本はウイスキーエクスチェンジで買う、って感じでした。筆者もたまにエクスチェンジで購入して、STRやヤングシングルモルトなどはすでにレビューしています。
とはいっても、海外サイトで購入すると、送料や税金がなかなか厳しいので、まあまあおいしいくらいなら買おうって気にもならないと思います。が、概要に書いた通り、このご時世でクラシックは4980円とかなりリーズナブルな値段でのリリースになっています。APEXやシングルカスクもすでに予約販売が始まっていて(筆者はすでにポチリました)、こちらは1万円を超えてしまうので、若干ハードルは上がりますが、こちらも値段に見合ったアイテムになっていると思います。
前置きが長くなりましたが、さっそくコメントの方に行こうと思います。
ちなみに、今回の4種類は購入品ではなくて、ミニチュアのボトルです。銀座で行われていた試飲会に写真のTシャツを着て訪問し、半ば強引にもらってきたアイテム。ミニチュアボトルって個人的にはなかなか開けられないのですが、今回は全部まとめてレビューするいい機会と思って開けてみました。
ちなみに、クラシックと赤ワインは以前にエクスチェンジで購入したのでボトル自体はすでに持っています。2年近く前のボトルのはずなので、味が同じとは限らないので、こちらもいずれ試してみたい。
クラシック:香りは若いバーボン樽っぽい樽香、リンゴ、はちみつ。アルコール感強い。かすかに塩、ペッパー、おがくず。口にすると塩味と糖蜜。あまり雑味は感じない。二口目からは飲みごたえ出てくる。リンゴ、ペッパー、バニラ。三口目で炭酸(ラムネ)っぽさ、若干のえぐみ。少量の加水でぐんと甘くなる。糖分のないシードル。さらに加水すると麦汁っぽくなる。余韻はアルコール感と塩味が残るものの、他のテイストはスパッと切れる。加水した方が口に多く含むからか余韻を感じる。
エレメンツ(赤ワイン):香りは、クラシックに比べて、アルコール感弱い。強い鉛筆、樹液の滴る切り株、ブドウの皮、チョコレート、時間たつと赤ワイン感。甘み強くなる。アルコールも立ってくる。時間に対する香りの変化が目まぐるしい。口にするとタンニン、木、ブドウドロップ。二口目からコクが出てくる。少しづつアルコールが前面に出てくる印象。加水すると全体的に弱くなる。余韻は弱い。スパッと切れる。口数を重ねると味(余韻)が蓄積してくるイメージ。最後おがくずっぽい。
エレメンツ(シェリー):香りはアルコールの中にほのかにおがくず、メープルシロップ。ワックス、松(針葉樹の葉)、塩。若干メロンっぽい?加水すると風味は崩れる。口にすると、甘辛いシェリー、塩、ドライフルーツ。加水すると塩味が前に。若干ケミカルな感じ。木くず。余韻は、一口目はスパッと切れる。二口目からはビターチョコとメープルシロップがかすかに長く続く。
エレメンツ(ピーテッド):香りはまず塩。そこからピート。ただ、ウイスキーそのものからくるピートというより、樽の香りが上に載った印象。モルトの甘さ。口にすると、口当たりは柔らかく、じんわりピート、モルトの甘味、リンゴ。加水すると一気に甘くなる。ピートは後から引っかかる程度だがしっかり口に残る。さらに加水してもそれほど崩れない。ハイボールもよさそう。余韻は塩味のリンゴが残る。他のフレーバーはスパッと切れる。ピーテッド、の割に4本の中で一番優しいかも。
蒸留所の場所が海に近い(海岸沿いの大通りから道何本か入っただけなので本当に近い)からなのか、貯蔵庫が海沿いだからなのか、全体的に塩を感じました。スプリングバンクをしょっぱいと感じるのに近いイメージです。また、アロマの組み立てが上手なのか、若いモルトのはずなのに(とはいっても気候的には結構塾生は早いはず)、かなり複雑な香りでした。その一方で、加水ということもあってか、味の方は割とわかりやすく、単調な感じで、また、樽が強力にアピールしてくるというほどでもありませんでした。ただ、試飲会で飲むことができた、カスクストレングス、シングルカスクはそれぞれに主張が強く、個性的だったので、あえてメリハリを利かせているのかな、とも感じました。後、意外に余韻があった、というか、余韻が蓄積していく印象がありました。これは体調の問題かもしれませんが。
スコッチウイスキーを意識した味にも感じられ、日本でも、アイラ、スペイサイドが好きな方を中心に浸透していくのではないかと思います。APEXとかはスプリングバンクが好きな人にも結構受けると思います。