作成日:2020/12/19
メーカ:ニッカウヰスキー
地域:日本
ステータス:販売中(2020年12月現在)
容量:700ml
価格:4000円前後
タイプ:ブレンデッドモルト
年数:表記なし
度数:43度
点数:84点(ハイボール、水割りは+1点、ロックは-1点)
テイスティング的なコメント:香りはリンゴ、酢、花、ラムネ菓子。アルコールの刺激も感じられるものの柔らかく甘い印象。口にすると、グリーンアップル、ジンジャー、駄菓子。後から苦味、ウッディ。バニラは感じない。2口目から麦、潮、かすかな甘さ。10分程度置くと柔らかい印象に変化する。少量の加水で逆に力強さが出る、珍しいタイプのウイスキー。ジンジャーと潮が前面に出る。舌に強めのアルコール感。余韻は弱く長いジンジャー。
飲んだ場所:自宅
ニッカウヰスキーが竹鶴の年数表記のある17年、21年、25年を終売とした後、新たにリリースされたブレンデッドモルト。ベンネヴィスの名前を前面に出してきたことが一つの特徴と言えるかと思います。これより少し前にリニューアルされ、値段がだいぶ上がった年数表記なしの竹鶴と見比べると、何となく腑に落ちる商品ではあります。すっきりしたというかなんというか。その辺のくだりは竹鶴12年のページに書いていますので、そちらをご参照いただければと思います。
近年のウイスキー需要増と供給不足に端を発する(と信じたい)ウイスキーの値上がりで、手ごろな価格で飲める良い感じの製品がなくなってきたという印象でしたが、これは久々にハイボールでごくごく飲みたい!と思わせる良い製品だと思います(事実このページを書く1月前にはすでに飲み終わっていて、当時のメモをもとに書いています)。いわゆるニッカ臭は抑えめで、ピートというよりは余市を思わせる潮っぽさや、甘さ、華やかさを感じる中々バランスの良いブレンデッドと感じました。ニッカは、良い意味でも悪い意味でも個性があるものが多い印象ですが、これはバランスの取れた優等生的な感じです。ストレートで、というよりは水割りやハイボールが一気に飲んでしまう感じ。ただし、ロックにしたときはえぐみが出て、これは結構不思議な印象でした。時間を置けば水割りに近くなるので、飲めるようにはなってくるのですが。
似たような製品というと、サントリーがワールドウイスキーとうたっているAoが浮かびます。こちらもリリース直後に近所のイオンで一杯飲みましたが、これは若く、刺々しい刺激が強く、また、バーボン、カナディアン寄りの印象で、それ以降飲んでいませんが、コスト、味的には個人的にはこちらのセッションを推します。というか、Aoのブランドサイト見ましたが、「ワールドウイスキー」なんですねぇ。ブレンデッドモルトという表記はないなぁ。いつの間にかいろんなところがすり替わってないことを祈ります。まあ、構成原酒が変わればモルトとかグレーンとか関係なく味はだいぶ変わってしまうので、それよりはどうやって味を維持していくかが重要ですよね。富士山麓も値段の割りに華やかさもあり、1000円近くにも関わらずストレートでも飲める良い製品でしたが、終売直前は大分バーボンに寄っていて(というかバーボンにしか思えませんでしたが)、製品品質の確保って難しいんだなぁと思ったことを思い出しましたが、それもすでに2年以上前の話か…