作成日:2020/10/18
メーカ:J&A Mitchell(Springbank distillery)
地域:イギリス、スコットランド、キャンベルタウン
ステータス:(限定品のため明記せず)
容量:700ml
価格:15000円くらい(当時)
タイプ:シングルモルト
年数:18年
度数:46度
点数:88点
テイスティング的なコメント:何というか大分スプリングバンク寄りのロングロウ。まず、ブリニーがあって、その後にピートのきいたシェリーとかすかなチェリーの香り。味もロングロウというよりピートの効いたスプリングバンクといった雰囲気(それがロングロウといえばその通りなのですが)。口にするとオイリーな印象もあり、その影響か出汁っぽさも感じる。
飲んだ場所:自宅
ロングロウは、キンタイア半島の先っぽの方にある3つの蒸留所のうちの一つ、スプリングバンク蒸留所で製造されるシングルモルトのうち、2回蒸留でピートタイプのもの、ということになっています。メインのブランドのスプリングバンクは2回半蒸留という、分かるような分からないような製法(2回蒸留した後にそのまま樽に行くものと再溜釜に戻してもう一回蒸留するものを足すので2回半、らしい。仮にその計算でいいとして、2回蒸留と3回蒸留が正確に半々なのかはよくわからない。まあ、それを言うと2.81回蒸留と言っているモートラックはもっとよく分からないが)で製造され、もう一つのブランドのヘーゼルバーンは3回蒸留という製法になっています(こちらは、ラベルにポットスチルが三機描かれていてわかりやすい)。
メインのブランドのスプリングバンクは「モルトの香水」とも言われ、潮っぽい、上品な香りが特徴です。他の蒸留所のウイスキーではなかなかない香味ですが、個人的にはメインの保管場所が海沿いで、熟成期間中に潮の香りが何となくしみこんでいっているのではないかと想像しているのですが、このロングロウにもそのニュアンスが出ていると思いました。先にも書いた通り、ロングロウはきつくはないけど主張のあるピートの印象が強かったのですが、これはピートが完全に潮っぽさに丸め込まれていて、ピート・シェリータイプのウイスキーにたまにある、「ピートとシェリーが喧嘩している」タイプのウイスキーではありませんでした。このタイプはピートとシェリーのバランスでうまく調和を取っているというイメージがあったのですが、スプリングバンクだと潮っぽさという第三者でまとまるんだなぁ、と感心しました。
このボトルは確か2011年くらいに購入したボトルで、当時の日本市場での価格は15000円くらいでした。当時はまだそれほどウイスキーの値段は上がっていませんでしたし、ロングロウもシングルカスクや14年、10年などが10000円しない水準で購入できたのでそこそこ割高で、入荷即完売みたいな状況ではありませんでした。私が購入したお店でも全然売れなかったようで、半額セールで購入しました。それから大分時間が経ちましたが、バーなどで飲む機会もなく(もしかすると一回くらいはどこかで飲んだかもしれない)、自分で開けて飲むという流れになりました。このロングロウを買った頃にロングロウに抱いていた期待感とはだいぶ違いましたが、これはこれで楽しめるウイスキーだなぁと思います。
まだストレートでしか飲んでいないので、ロック、ハイボールも試してみようと思います。(こう書いておいて更新しないパターン多いですけど)