作成日:2021/5/15
メーカ:ビーム サントリー
地域:イギリス、スコットランド、アイラ島、ラフロイグ蒸留所
ステータス:(限定品のため明記せず)
容量:700ml
価格:約9000円(送料、税金含む)
タイプ:シングルモルト
年数:10年
度数:48度
点数:86点(個人的にはロック、ハイボールで+1点)
テイスティング的コメント:香りは、ピート混じりのスモーク、シェリー由来と思われる黒糖的な甘み、ダークチェリー。口にすると、ざらつくヨード、ピート、メープルシロップ。シェリーがピートを抑えようとするも最終的にはピートがやや勝る。2口目以降、燻製肉のジューシーさ。口当たりは常に甘く、飲みやすい(ラフロイグ好きならば、だが)。ナッツも出てくる。単体で飲んでも乾きものと一緒に味わってもよい。少量の加水でサルファー、灰っぽさ。さらに加水でべっこう雨、クルミ。加水することでかつての15年のニュアンスに近づく印象。余韻はシェリーとヨードのバランスが長く続く。ロックにすると若干ピートの強めな15年の雰囲気が出てくる。ストレートで飲んだ時と比べてピートとシェリーのバランスはだいぶ良くなる。ハイボールにすると、意外に締まった味になり、爽快感も出てきて、夏に良い。
飲んだ場所:自宅
ウイスキーの値段が高騰する昨今、ラフロイグは比較的値上げせず、ラインナップも守りつつ販売を続けている数少ない蒸留所の一つと認識しておりますが、また、比較的お手ごろな価格でのリリースになります。見出しにしているOnce Taeted Never Forgotten(一度飲んだら忘れられない)はFoL(Friends of Laphroaig)の製品紹介サイトのボトル写真にくっついているコメントです。第一印象は「すごい強気だな」です。
10年のシェリーフィニッシュ(オロロソと書いてありました)ということで、個人的にはかつての15年(写真)的なニュアンスをかなり期待しました。写真の15年が終売になった後も、FoL向けではありますが、15年のリリースは記憶している限り(というか所有している限り)は2回ありました。1回目は蒸留所の200周年のアイラフェス向けの15年(半年以上たってからサントリーがいつも通り「遂に入ってきた」とか白々しく言ったあれです)で、もう一つがそのあとにFoL向けにレギュラーリリース、みたいなことをうたったけどやっぱり単発に終わったというあれです。こちらは国内の酒屋でもまだ見かけます。
10年とスペックを出していることからもまあ、そんなに高くないだろうと思ってみていると、ここ数年の傾向通りに、まずドイツでリリースされ、イギリスの酒屋に入ってきて、蒸留所で販売という流れでのリリース。Facebookの投稿ではドイツから買ったと思われる投稿も見受けられました。ちなみに、蒸留所が最安になることが多いので、よほどのことがなければ蒸留所で買ったほうがいいです。どうせドイツから送られてきますので。
知り合いのバーテンダーに何本ほしいか聞いたところ、かなり強気な数字が来たので、私も強気に4本買いました。なので、今回は到着日に1本目を即開栓しています。まあ、ラフロイグは大体多めに買って即開栓してる気がしますが。
で、味のほうはどうかというと、当たり前ではありますが、10年のニュアンスが強い。ただ、写真ではわからなくて恐縮ですが、ばっちり色はついていて(多分カラメルではない、と思う)、シェリーのニュアンスも出ていました。加水でもかなりフレーバーが変化し、かなり興味深い感じ。普段は一杯をストレート、徐々に加水でテイスティングすることが多い(ハイボールなどの飲み方は別の日に試すことが多い)のですが、急遽ロックでも試してみました。コメントにつまみのことを書くのはあまりないのですが、素直にいろんなおつまみと一緒に楽しんでみたくなるアイテムで、ナッツ、コーヒーピーナッツあたりと一緒に飲んでみましたが、なかなかいい感じに楽しめました。
写真の2つの15年に比べると大分15年に近いニュアンスを感じ、個人的には満足度が高いです。カスクストレングスのバッチ3も15年に近くて好きだったのですが、その次くらいには位置するかと思います。
まあ、値段が少々高くなってしまうのはどうしようもないですが、過去を振り返ってみたい人にはよいかと思います。点数は86(ロックで87)としましたが、あくまでストレートのテイスティングという意味での点数で、普段飲みとしてはもう少し点が高くてもいいとは思っています。為替レートが円安に来ているので、10000円以下で購入可能でこのクラスのウイスキーは当分会えないような気もしています。
2021年5月15日現在、すでにFoLではOut of stockになっています。ラフロイグは限定品でも結構な数量を用意することが多く、近年はCairdeasもCask Strengthも半年以上たっても買えることが多かったので、結構珍しいですね。ただ、取り合いをするようなアイテムでもないような気はしますが。ただ、Limited Editionを最初からうたっているので、同じスペックのものがすぐに出てくることはないのかなぁと思います。個人的にはおそらく今まで一番飲んできたであろうラフロイグの10年よりも普段飲みに最適と感じました。ロック、ハイボールでもよいので、21年よりも使い勝手がいいと感じたので、今回買った分しか飲めないと思うと少し残念ではあります。