作成日:2019/9/30
今年も販売開始早々に売り切れ。Cairdeasとラグビーシャツとの抱き合わせは比較的長期間購入可能でした。
メーカ:ビーム サントリー
地域:イギリス、スコットランド、アイラ島、ラフロイグ蒸留所
ステータス:(限定品のため明記せず)
容量:700ml
価格:9000~10000円(送料、税金含む)
タイプ:シングルモルト、カスクストレングス
年数:10年
度数:58.6度
点数:88点
テイスティング的コメント:香りはラフロイグらしいヨード、煮詰めて乾燥させた牧草、若干の樽の焦げたニュアンス、煙。度数相応のアルコールのパンチ。煙にはたばこっぽさも感じられる。口にすると、ぬるりとした感触とともに土、ピート、煙。暖炉の温かさ。ピートとまじりあったアルコールのアタック。甘味。飲みごたえもあり、良いアイラモルト。余韻はアーシーな力強さと温かさ。最後に草のニュアンス。かつての15年、18年の影をひそかに感じるラフロイグ。加水しても力強さは損なわれず、じっくりと楽しめる。
飲んだ場所:自宅
元々はバッチNo.の表記もなく、10年のカスクストレングスとして売られていましたが、15年、30年の終売の後に、Batch XXXという表記でのリリースが始まりました。日本国内ではバッチ003までが出回り、それ以降はピタッと止まった、と思いきや、実はグローバルには売られていて、Batch 006あたりからは毎年夏ごろにリリースされているという状態でした。数年前などは特にリリースの告知もなく、Cairdeasの予約キャンセルを漁りに蒸留所のサイトを見に行くとこっそり売られているといった感じでした。ちなみに、少し前にヨーロッパ向けの16年がリリースされたり、近日中に30年のリリースが予告されています(見た感じ、ケースはかっこいい)が、日本には正規輸入はありえないでしょう(基本的にラフロイグを(間接的に)所有している日本の会社はワールドワイドで売れ残った時にしか日本で販売しません。極めて残念なことに200周年の32年は正規品が入荷することはついにありませんでした)。
まあ、愚痴はこの辺にしておいて、近年年1回リリースのこのカスクストレングスは良い意味でユーザのラフロイグのイメージと価格を守りながらリリースを続けています。ただ、今年の発送はやたら遅くて、注文から到着まで都合1か月半かかりましたが。船便かよ、みたいな。ちなみに、すでにはるかな記憶ですが、日本で販売されていたころのBatchは
001:10年に近い
002:18年に近い
003:15年に近い
という感じで、筆者は003だけ買ってます。
一方で、日本のユーザーは、限定品ばっかり買って、普段飲みをケチっているイメージもあるので、メーカーからすると嫌なマーケットのような気もしています。しかも、彼らは、買いだめて飲まない(あるいは限定品を買い占めて延々と同じものを飲む)イメージがあります。そういう意味では、日本に売るのは無駄な気もしています。筆者もモルトの多いバーに通う一人ではありますが、不思議なことに、客もバーテンダーも「飲んだことがないウイスキーを飲むこと」が唯一の価値であるように考えているように思います。個人的には、定番品を色んな飲み方で味わって、メーカーに貢献しつつ、スペシャルリリースを買ったり、飲んだりするのが良い楽しみ方のように思います。
で、昨今のように様々な銘柄のウイスキーにおいて年数表記が無くなっている状況で、安定したリリースを続けているラフロイグは驚嘆に値しますが、これは日本のユーザをはじいていることによる成果なのかもしれません(そういう意味ではボウモア以外にもアードベッグも当てはまります(昔は日本から限定品を購入できた))。でも、たまには日本にも入れてほしいなあとは思います。10年3本との抱き合わせとかでもいいので(単にラフロイグが好きなだけでボウモアで同じことをされたら絶対買いませんが)。