作成日:2021/05/23
ラベルが珍しく横に巻き付けるように張り付けられている。筆記体で書かれていて、読みづらい。
メーカ:蒸留所元詰め
地域:イギリス、スコットランド、スペイサイド、オルトモア蒸留所
ステータス:(限定品のため表記なし)
容量:700ml
価格:70ユーロ(送料、税金別)
タイプ:シングルモルト、シェリー樽3樽のバッテッド
年数:11年
度数:46度
点数:85点
テイスティング的なコメント:香りはシェリー樽特有と思われる甘辛い香りの後から塩。焦げ臭さ、黒糖リンゴ、アルコール感高め。全体的に香りは強めに感じる。黒鉛も後から。口にすると、べっ甲雨、オレンジピール、スパイス。2口目からハーブの苦みが加わる。オロロソ由来と思われる味噌。少量の加水で漬物、コーヒー。ただし、甘みはむしろ増す。後味に若干のサルファー、さらに加水でオレンジが出るが、全体的に平べったくなる。余韻はほのかな苦みと温かさが穏やかに続く。
飲んだ場所:自宅
その他:バッチ本数2472、3樽のバッティングで、1つはファーストフィルのオロロソ、残り二つがセカンドフィルのオロロソ
加水、とはいえ、3樽のバッティングで2472本、すべてバットで700ml換算で600本とれる60度以上の樽3個を全部混ぜて加水したというばかりの本数です。1樽600本はなかなか聞きませんが、ハイランドパークの10年のカスクストレングスが600本詰めているので、まあ、ありえない数字ではありません(40年近くで500本以上詰めちゃう謎のドロナックに比べれば、現実的な数字)。ただ、割合の調整とかそういう次元ではなさそうとも思える本数で、まあ、全部混ぜたんだろうなぁと思われます。全部がオロロソシェリーというのがなかなか興味深く、味にもそのニュアンスが出ているように感じられました。
写真を見ていただくと分かるように、色も濃い目で、香りも味も強め、ただし加水という、好きな人は非常に好きなスペックなのではないかと思います。最近、シェリー樽フィニッシュやらシェリー樽やらレビューしていますが、ある意味で一番シェリー樽っぽい味に感じました。
筆者はWhisky Base Shopで購入したのですが、おそらくEU向けの製品と思われます。そもそも購入しようとしたのはGlenlivetのIllicit stillだったのですが、それだけだと送料が高くつきそうという、いつもの理由で物色して買ってみたうちの一つです。ボトルで購入しているわけではないので、レビューには書かないと思いますが、このデザインになってからのオルトモア12年は結構いい出来だと思っていまして、その特殊なボトルということで試してみました。送料、税金抜きで70ユーロはよくよく考えたら結構な買い物ですが、中々興味深いボトルではありました。巷で出会う評価の高いボトラーのオルトモアはシェリーカスクであることが多い印象で、それらにつながるようなニュアンスも感じました。比較的マイナーで、ボトラー物もそんなに見かけない(とか言いつつ調べてみたらこのボトル以外に3本持ってました)蒸留所なので、似たようなスペックを見かけたら試してみるのはありだと思いました。