作成日:2018/10/13
メーカ:ニッカウヰスキー
地域:日本
ステータス:終売
容量:660ml
価格:2000円前後
タイプ:ブレンデッドモルト
年数:12年
度数:40度
点数:84点(普段飲みという意味では+2点)
テイスティング的なコメント:苦手な人がニッカ臭というアイテムの一つ。色々なタイプのモルトが混ざっていて、コクあり。ピート、シェリー樽由来の味も。
飲んだ場所:自宅、試飲会場、バーなど多数
ニッカウヰスキー(ニッカは前身の大日本果汁株式会社からきている )の創業家「竹鶴」を冠したブレンデッドモルトの最低レンジだったウイスキー。終売ばっかりで申し訳ありません。過去にちゃんと量を飲んでて、ベンチマークになりそうなものを選んでいる関係上、こういうチョイスになっております。
北杜12年のページでこれは竹鶴への当てつけといいましたが、両社が660mlという特徴的な容量だったこともそう考えさせる要因になっております。こちらもニッカの誇る蒸留所である余市、宮城峡蒸留所のモルトをふんだんに使ったものと思われます。
あれ?思われますっておかしいですか?いやいや、おかしくはないと思います。北杜12年だって白州が多いと思っていませんでしたか?
確かに、今「竹鶴12年 説明」でググると、上記の2蒸留所だけで作っているとか何とか書いてあります。しかし、これはたぶん勘違いではないかと思います(もしかすると、説明員から本当にそう聞いたのかもしれませんが)。ただ、ここで私が言っていることもまた推測(ただし根拠はつけてあります)なので、真相は不明ということでお願いします。
今、手元にある竹鶴12年、シェリーウッドフィニッシュ、17年アンチルフィルタードの裏ラベルを見ましたが、「2つの蒸留所のみを使った」とか、「余市、宮城峡をふんだんに使った」といった記述はありません。12年のラベルに「~北海道余市と仙台宮城峡にふたつの地を選び、複数の蒸留所をつくりあげました。脈々と受け継がれたその精神は、12年以上の歳月に磨き抜かれ豊かに熟成したこのピュアモルトウイスキーに結実しました」とあって、2つしか使われていないとは読めないように配慮されているようにすら思えます。ちなみに、ラベルにはピュアモルト、とはありますが、ジャパニーズの表記は一切ありません。
竹鶴12年はより年数の若い、余市、宮城峡の10年より安い価格で販売されていました。ただ、この価格差はアルコール度数(余市、宮城峡は45度)、容量、原酒の良しあしを考えれば微妙な差で、主力として頑張っているとも考えられます。(北杜12年についても同様)
しかし、竹鶴をもっと長いレンジで見ていくと、やはり違和感が。当時のラインナップは12年、17年、21年までざっくりいうと2500円、5000円、8000円位の値段設定で、まあそんなものかなとも思えるのですが(当時は安い所に行けば響17年も8000円台だった)、25年、35年になると値段が違う。25年が45000~50000円、35年が60000~70000円くらい。まあ、最上位の35年はプレミアムプライスだったとしても(サントリーの響30年は当時100000円だったので、これでも安いといえる)、価格の傾きが明らかにおかしい、とまあ、推測だけはできると個人的には思っています。
これを裏付けるわけではありませんが、本坊酒造で一時期製造していた駒ヶ岳10年は、これまたピュアモルト表記でしたが、駒ケ根工場で説明員の方に聞いたところ、ジャパニーズ以外も入っている、ということでした。こちらについては、原酒の保有状況からして10年という設定をする合理性が全くなかったので、その旨聞いたら教えてくださいました。
これだけ書きましたが、上記3社が別にインチキをしているとは思っていませんし、今あげた3種類はどちらかというと美味い部類のウイスキーだと思ってますので、個人的には全部復活してほしかったりします。少し前に炎上したとか言われている鳥取の何とか酒造の件は、結局のところ、一番の問題は「美味しくない」ってことだったのだろうと理解しています。
ここまでほとんど竹鶴12年に触れてませんが、上に書いた通り、非常にニッカらしいいいウイスキーだったと思います。この価格で、ハイボールでも、ストレートでも楽しめる優等生。ただ、意外と飲まれてなかったんじゃないかと個人的には思います。
というのは、当時の蒸留所の見学コースに参加すると、無料試飲で出てくるのは余市(または宮城峡)10年、アップルワイン、鶴17年の3種類だったからです。しかもこの鶴17年がまたうまいんですよね。そのうえ、お土産コーナーには12年カスクの原酒(ピーティ&ソルティ、ウッディ&バニリック、シェリー&スウィート)があったり、蒸留所限定ブレンデッドがあったり、原酒5,10,15,20,25年があったり、挙句の果てには期間限定ではありましたが竹鶴35年が15ml 1700円で飲めるとか大変なお祭り騒ぎで12年どころじゃなくなっちゃうんですね。でも、実はお祭りも行くところまで行くと竹鶴12年に出会えました(余市限定)。
余市のショップにはポイントカードと言うなかなかピンとこないシステムがありまして、確か1000円1点で60点だか90点だがで1枚埋まります。そうすると特典がもらえるのですが、それが竹鶴12年でした。当時は「こんだけ酒買いまくってもらえるの酒かよ!」って思いながら東京に戻って自宅で飲んでみましたが、これがうまくて、その後何回か買いました(写真はラストの1本)。
レビューっていうか、変な思い出暴露になってしまいましたが、そういう買いもあるということでご容赦ください。ガジェットの方の記事が全然書き終わらなくて、気分転換に書いてみました。