作成日:2019/1/25
最終更新日:2020/2/10
DPT-RP1だけでは飽き足らず、FCCL(富士通クライアントコンピューティング、以降は富士通と省略)の電子ペーパも購入してしまいましたので記事を書くことにします。発売直後にこの手のものが好きな人のブログに出たりしていましたが、おそらく、本当に両方買って、使っている人間のレビューは珍しいのではないかと思います。
電子ペーパそのもののレビューについては、DPT-RP1の項で述べておりますので、こちらのページでは、P02との差分をメインにお話ししたいと思います。
ただし、写真を見ていただければお分かりいただけるかと思いますが、サイズが違うものを購入していますので、必ずしも適切な比較にはなっていない可能性があります。その点はあらかじめご了承いただければと思います。
非常に基本的なところでは重さと解像度が違い、
P02:10.3型フレキシブル電子ペーパー(解像度:1404×1872 ドット、227dpi)、251g
DPT-RP1:13.3型フレキシブル電子ペーパー(解像度:1650×2200 ドット、207dpi)、349g
となっております。特にdpiは見た目に影響している、ような気がします。
右が今回購入したP02(FCCL製電子ペーパ、A5サイズ)
左は約1年半愛用しているDPT-RP1(ソニー製、A4サイズ)
この手のレビューにお約束の開封から行ってみたいと思います。と、その前にお値段の話。発売直後から今(2019/1/25)に至るまで、発売記念キャンペーン、Writerキャンペーンと名前は変わっていますが、49,800円(税込み)での販売が継続しております。ソニー版の同サイズの電子ペーパ(DPT-CP1)が69,800円+税であることを考えると大分安いです。そもそも49,800円でも高いとは思いますが。ただ、ソニーも安売りしていなかったかというとそうでもなく、USでは昨年11月下旬のBlack Fridayの期間、$100割引キャンペーンをしていました。それでも送料等入れると60,000円近くかかるので、それよりも安いことになります。
「まあ、この値段ならいいか」と買ってしまった人間が言うのはなんですが、当分この値段が続くような気もします。ちなみに1/16まではP02専用のカバー(8,000円)が半額でした。本体の値段というよりは、どちらかというとこちらが購入の決め手だったと記憶しています。本体がこの値段でカバーが8,000円だと買う気が起こりません。12/18に販売開始で注文したのが12/19…全然迷ってませんね。ちなみに18日にポチらなかったのは、カバーが売り切れになっていたからです(19日には復活)。
到着は12/28で何とか年内に届きました。当たり前ですが当初納期より1日早いくらいの到着です。いや、過去にThinkPad8というデバイスの納期であきれたことがあったので(2月に注文して届いたのは6月とかそんな感じでした。ちなみに注文した瞬間の予定納期は2週間後でしたが…)、納期には敏感です。
届いた本体とカバーの段ボール。カバーの方が段ボールが大きい。カバーなんだから当たり前とも思うが、同じ段ボールにした方がコスト安かったのではと思わずにはいられない。
DPT-RP1の箱も保管していたので、並べて撮ってみました。
念のため繰り返しますが、DPT-RP1はA4サイズでP02がA5サイズです。DPT-RP1の箱の方が厚みも幅も小さかったです。この辺りは会社のカラーというかセンスの差が出ますね。まあ、箱を見て買う人などいないので、どうでもいいんでしょうけど。縦横の向きも違いますね。
いや、まあ売れ行きには関係ないんでしょうけど、やっぱりセンスの差があると感じました。
本体の箱を開けると、付属品が出てきてから、不透明なカバーに覆われた本体が出てきます。DPT-RP1の方は写真を撮ってませんが、箱を開けるとまず本体が出てきて、その下に付属品というスマートフォン、タブレットにありがちな構成でした。P02は中の段ボールも複数パーツに分かれていて、ごちゃっとした感じは否めませんでした。
本体が不透明なカバーに覆われていたのは個人的には残念でした。DPT-RP1の方は、開けた瞬間に電子ペーパーの表示が出ていて、「液晶と違う」感覚があったのですが、隠されてしまうとワクワクが減ります。
そして、ショックだったのが、ペンが充電されていなかったところ。本体側はどうせPCとUSBで接続してペアリングしないといけないので、バッテリーが空でもそんなに気になりませんが(最近のタブレットと違い電源供給すればすぐに起動できます)、ペンが書けないとものすごいがっかりします。
取り出すと、右のような感じで初期の画面が表示されています。DPT-RP1の時は撮りませんでしたが、今回は撮っておきました。
起動やペアリング、テンプレートの設定等はDPT-RP1とほぼ同じなので、何も迷わず即終了。買ったばかりの別のメーカーの製品なのに、不思議な感覚です。
カバーの外観も載せておきます。中の中央部にに粘着剤みたいなものがあって、そこにP02を貼り付けます。一応P02本体の裏面の写真も撮ってありますが、シリアルナンバーを隠すのが面倒なのと、自分でも見ないため、省略します。
P02カバー。それなりに高級感があるが、ペンホルダーなどが使いにくすぎ。
P02はDPT-RP1と同じようにPC側のアプリからファイル操作、設定等を行います。DPT-RP1が「Digital Paper App」、P02が「Digital Paper PC App」となっていて、正直どちらがどっちと覚えられる自信はありません。これら2社のハードは同じOEM元から供給されていますが、アプリの外観もほぼ同じで、こちらもOEM元から供給されているのだと推測できます。ちなみに100MB以上のサイズがあるので、アップデートなどを考えると、両方とも同じアプリで管理したいですが、さすがにそれは無理そうです。いや、脱獄とかあるのかもしれないけど。同時に起動していて、PC側の同じフォルダを同期の対象にしているとファイルの競合が起こります。おかげでどうやって2台の同期を取るか、大変悩ましい。
(2019/5/1追記)P01, 02用のAppはWindows10のみのサポートというかなり割り切った仕様です。Win7等だとAppは入って起動するものの、Digital Paperを認識しません。勝手につながるものだと思って1時間近くはまりました。当然のようにMacもサポートしていません。
上にも書いた通り、PC用のソフトも共通のもののようなので、ほとんど差がありません(少なくとも現時点では)。Sony版はiOS、Androidからもアクセスできるようにアプリを用意しているのでそこが違うといえば違います。
FCCLは富士通グループなので、同じ富士通グループのPFUのスキャナなどとの連携を期待します。電子ペーパーはその辺の書類をサクッとスキャンして転送、保管ができる(OCRもできてほしい)と本当に便利だと感じますが、今のところいいソリューションがありません。
あと、同期手段として、いい加減Google Drive等に対応して、PCが必須でないようにしてほしい(というかGoogle Driveに対応すればAndroid・iOS用のアプリは不要なのでは?と思いました)。あ、でもSony、FCCLの差別化がなくなるのでNGとかそういうことなのかもしれませんね。大人の事情。いや、納得はしませんよ。不便なので。
さらに、これは厳密にはS/Wの問題ではないのですが、これで、新聞が読めるといいなぁ、と思っているのですが、中々良い方法が見つからない。日経テレコンの記事を片っ端からPDF化して、分かりやすい名前にして、毎日同期取ってくれると本当にいいんだが。
一応FCCLが挙げているポイントとしてスケジューラへのショートカットとPDFファイルは軽快に動くので、これは良いと思う。ソニーは去年のカレンダーのPDFに色々とミスがあって少し印象が悪くなっているので、この点はFCCL版がいいと思う(ただしどちらの機器でも他社のPDFを使える)。
(2020/2/10追記)昨年末からPFUとのスキャナ連携できるようになったみたいです。ただ、こちらは当分購入予定はないです。SV600が対象機種だったら少し考えたのですが…
これは最初にも書いた通り、同じハードウェアではない(パネル解像度、dpiが違う)ので、何とも言えないが、1年半使って慣れているDPT-RP1の方が使いやすい(イメージ通りに線が書ける)ような印象はある。あるのだが、細かい字はP02の方がちゃんと書けているような気がする。その代わり、P02は横線を引いたつもりなのに引けてない、みたいなことが最初の何日かはあった。ただ、最近は無くなってきたので、やっぱり慣れなのかもしれない。ちなみに、当然のことながら両社とも同じ方式のペンなので、ペンをスワップしても書ける。そうすると、やっぱり書き味が違うように感じるので、本体ではなくペンの設定が違うような気もしている。ちなみにソニーはペン先を2種類、FCCLはペン先を1種類に絞っている。FCCLが採用していない方はランニングコスト的にも書き味的にもいまいちなので、これは正しい判断に思える。
今回のP02の購入と、ペンは共通して使用できることから、片方のペン先をソニーだけがリリースしているものにしようと思って一度付け替えたものの、使いにくくてやめてしまった。
あと、これは差異ではなく、共通の問題なのだが、ペンに付いている羽根(電子ペーパ本体の溝にあてると磁力でくっつく)の塗装が剥げやすすぎる。蓋開けたら開封済みになるあのシールくらいの勢い。本体側の溝の中心部、本体上側に出っ張りがあって、それが塗装を削っていっている模様。なので、左右どちら(あるいは両方)の溝を使っているかが塗装の剥げ方で分かる。転売対策ですかね?売らない方からすると結構いい迷惑ですが。
(2019/5/1追記)別途DPT-RP1のレビューに書きますが、DPT-RP1の筐体が割れて修理に出した関係で、一躍P02がメインデジタルペーパの地位に躍り出ました。まあ、メモ等はもともとこちらの方が使いやすかったので…ただ、PDF書籍を読んだりするのにはDPT-RP1の方が便利(P02では見開き表示を使う気にならない)ので、DPT-RP1もまだまだ頑張ります。PDF書籍なんてあるのかい!って話があるかと思いますが、オライリーの電子書籍はPDFがメインで、これを読むのにDPT-RP1が最適と個人的には思っております。
未だ、DPT-RP1との使い分けが進んでいませんが、持ち歩いたり、書き込んだりはしているので、レビューを追記します。
値段について:予想していた通り値段は実質据え置きです。値下げはやってしまうとやめられない止まらない。ただ、同じH/Wだと言ってしまっているSony製品が値段を下げていないので、その辺への配慮のような気もします。
カバーについて:カバーの内側に「ガイド」と書かれている部分があるのですが、こことカバーを閉じたときにここに重なる部分に磁石が付いていてピタッと尽くしようだったみたいです。たまーに磁石っぽい引っ掛かりがあって、「何だこりゃ」って思っていたのですが、そういうことでした。ガイド部分を少し引っ張り上げないと反対側の磁石にほとんど反応しません。まあ、今のご時世常識なのかもしれませんが、少しショックでした。あと、P02本体の溝にペンをつけた状態でカバーを閉じれば脱落しなさそう!と思っていたのですが(DPT-RP1はよく脱落する)、P02でもダメでした。このゴム製のペンホルダー使わないとだめなのか。このゴム、ものすごくはめづらくて(もちろん取り出しも面倒)、機動性が下がる感じがして嫌なのですが。
サイズについて:飲食店とかで取り出してメモをするのにはこのサイズは良い。P02の特性かどうかは分からないが、手に持った状態でも割と書きやすかった。
(さらに2019/5/1に追記)
値段はなんと64800円(通常価格75500円)に戻ってます。個人的には得したような気がしますが、この値段じゃ買わないんじゃないかな…
と思っていたら案の定、今は49800円になってますね。個人的にはもっとユーザが増えて、ユーザ同士の話をしたいものです。
DPT-RP1の記事には書いていましたが、あちらが交換対応になった間隙を突き、こちらのP02がメインのデジタルペーパーになりました。ただ、以下2点は不便に感じています。
スマホ対応:DPT-RP1/CP1と違って、こちらはスマホアプリとかなくて、スマートフォンからPDFを送ったりその逆ができません。13.3inchのDPT-RP1は移動中に持って歩くことはほとんどないのであまり気にしませんでしたが、10.3inchのP02だと「今これコピーして、こっちで読みたいんだけどなぁ」ってのは結構あります。スマホ、タブレットのブラウザだと、PDFなんかは時間がたつと再読み込みで最初のページになったりして、合間の時間に閲覧するには微妙なんですよね。
WindowsのサポートVersion:環境にWindows 10でない環境があると、途端に使いづらくなります。
PC用アプリ、ファームフェアともに8月1日に最新版が公開されました。ただし、変更点はスマホ対応のみ。また、それに伴って、スマホ用のアプリも出ています。ただし、内容的にはDPT-RP1/CP1向けのものと全く変わりませんので、特筆すべきことはありません。まあ、PCなしでPDFを転送できるのは助かります。が、FCCLダウンロードサイトにも記載のある通り、Pixel 3系で接続できないことが確認されております。というか私の手持ちのPH-1(Essential Phone)でも接続できない(正確にはアプリ上からP02が見えない)ことも判明しております。
上記PC用アプリですが、FCCLオフィシャルの表記はPixel 3/3XLは未サポートなのですが、Android11にすると実はつながるようになります。つながるようになって思ったのですが、NFCで認識させる方式だと、Digital Paperが勝手にAccess Pointとして起動し、Android側も勝手に接続して、ファイル操作ができるので結構便利だということにいまさら気が付きました。
後、ここに追記することでもないですが、FCCLのデジタルペーパーはGen2が出ましたので、それについてのレビューも別途したいと思います。