作成日:2018/11/20
地域:イギリス、スコットランド、アイラ島
訪問時期:2016年8月
ステータス:稼働中
Webサイト:https://www.laphroaig.com/
見学:構内の散歩は予約不要、見学コースは事前予約必要、コースによってヴァリンチ可能
ショップ:有
有料試飲:?
シングルモルトにはまるきっかけがラフロイグ10年で、これは今でも大好きなモルトなわけですが、それを作っているところ、ということで行ったときは大変テンションが上がりました。とはいえ、ここにたどり着くまではなかなか大変で、その経験も、これから行く人にとっては役に立つだろう、ということで、少し長くなりますが、書いておこうかと思います。行ったときは200周年からは1年たっていたのですが、200周年のペイントはいろんなところに残っていました。写真もその一つ。
基本的には蒸留所のWebサイト(https://tourbooking.laphroaig.com/index.php)からオンラインで出来ます。ただし、私が行ったときはたまたまWeb申し込みがメンテナンス中で、電話でしろというメールが飛んでました。正直自信がなかったのと、すでにイギリスに入国していた(説明がうまくいかず長電話すると電話代がやばそう)ので、宿泊予定のホテル(ポートエレンのど真ん中にある(といってもただのT字路ですが)The Islay Hotel)にメールで事情を説明して予約してもらいました。ちなみにThe Islay Hotelのフロントはメールのレスがすごい早いです。レンタカーの予約とか全然わかんなかったので聞きましたがすぐに教えてくれました。
コースはDISTILLERS WARES という2時間のコース。当時は一人60£。高い!と思った方もいると思いますが、これには250mlのヴァリンチの代金が含まれています。今は70ポンドになっているみたいです。世知辛いですね。ただ、他の蒸留所と比べると比較的予約しやすいかも(大抵の蒸留所の場合はレギュラーではないコースは週に1,2回、決まった曜日の決まった時間だったりするので、ツアースケジュールが組みづらい)。
基本的には飛行機か船です。飛行機は1日に1便(行ったときは午前中に1便、でした)で、所要時間1時間。船だと港から2時間とかそんな感じだったと思います。値段は圧倒的に船が安いですが、どっちが楽かといえば、間違いなく飛行機。
が、リスクが高い。風が吹くと飛ばないとか京葉線か!と思いますが、本当に飛ばないみたいです。というか、我々の旅行も往路が飛びませんでした。この時点で見学コースは予約済み。翌日の午前中なので、1日後の飛行機が飛んでも間に合わない。さあ、どうするか。まあ、書いたとおり船しかないんですけどね。ただ、当時はそんなことも知らず、というか、飛行機が飛ばないなどとは考えもせず、途方にくれました。というか、飛ばないってアナウンスも聞いてないと聞き逃すくらいで、一緒に言った嫁(多分私よりは英語はできるんじゃないかと思われます)は聞き逃してました。
ちなみに、アイラ島への飛行機はグラスゴーからドメスティックというのも微妙なプロペラ機が飛んでいますが、出発ゲートが何とInternationalと同じです。つまり、国内旅行でありながら免税店で買い物ができるという謎仕様。まあ、結局ここでは買い物しなかったので、もしかすると買えなかったのかもしれませんが。参考までに、飛行機はこんな感じです。タラップを自分で登るってところから察して頂ければと思います。
で、飛行機が飛ばないと航空会社のカウンターに行くことになるんですが、ここで、リファンド(返金)か振替かを聞かれ、今日中に何としてもアイラ島に着きたい我々としては振替を選択。とはいっても何が起こるのか分かっておらずうろたえる私と嫁の二人。そうしていると、同じ飛行機で飛ぶはずだった人で明らかに育ちの良さそうなおじさんが色々と説明してくれました(というかリファンドか振替かの話も教えてくれた。もっと言うと振替の交渉もこの人がしていたっぽい)。
アイラ島に着くまで、色々と教えてくれて本当に助かりました。最後に名刺交換させていただいたのですが、名刺にGCMGって書いてあって、調べてみたら、地元の出身で、一代貴族の方でした(George Robertson, Baron Robertson of Port Ellen)。後日、お礼のメールを書きましたが、ものすごい緊張しました。大した行数は書いてないんですが、仕事のメールよりもはるかに緊張した(ちなみにレスはものすごい早かったです)。
で、実際の移動ですが、航空会社がチャーターしたバスに乗り込み、約3時間、小雨の中、バスはものすごい勢いでキンタイア半島に向かい、半島の真ん中へとひた走ります(風景はあんまり変わらないので早くは感じない)。で、ケナクレイグという港に着くと、そこでフェリーのチケットを渡される。時刻表とか見るとなんとなーく嫌な予感がするが、案の定で、次に来るフェリーの行き先はポートアスケイグ。目的地のポートエレンとは逆の位置。次のフェリーは2時間後とかそんな感じなので、もういいやって感じでポートアスケイグ行きに乗る。フェリー内では食事もとれてインド風のカレーを食べましたが、意外にうまい。
そして、船の中の売店でも普通にモルトを売っている。それもミニチュアとかでなくてフルボトル。ちなみにお気づきかと思いますが、ジュラ島が近いのでジュラも売られています。(アイラ島のレンタカーは基本、島の外に出るのはNGなんですが、ジュラ島は例外的にOK)
で、ポートアスケイグ(カリラのすぐ近く)に着いたら航空会社がチャーターしていたタクシーが待っていて、好きなところまで連れて行ってくれるとのこと。親切なGeorge Robertson氏はここでお別れ。実は同じ飛行機だったらしい日本人と外国人数名で、目的地に連れて行ってもらう。ポートエレンが一番遠いので後回し。外国人の人たちは地元の人のようで家まで送ってもらっている感じ。日本人はバックパッカー的な感じで、ボウモアの近くで宿をとれるかトライしてみる、みたいな感じで降りていきました。
こちらはそのままポートエレンに向かい。チェックイン。アイラ空港で借りる予定だったレンタカーをピックアップしたかったのですが、電話してもらったら「明日こい」とのこと。とりあえず、そのまま寝て、翌日飛行機に乗るわけでもないのに空港に向かい、レンタカーを回収。ちなみに、空港まではどうやって行くかというと、バスが出てました。
ちなみに、空港のレンタカー屋のカウンターに行っても誰もおらず、仕方なく電話してみるとすぐ外からレンタカー屋のおじさんが来て車貸してくれました。
カレー。米は長粒種でぱさぱさしていたが、カレーとはよくあっていた。というか、スコットランドはどこ行ってもバーガーかスコティッシュブレックファストから逃れられないので、ありがたみを感じる
ラフロイグ蒸留所はポートエレンからは数キロなのでレンタカーであっという間に到着します。中に入ると、レジで見学コースの前払い。始まるまでは時間があるといわれ、ラウンジで開始待ち。特に驚くようなものもない、と思っていたら、右の張り紙。要は、「昔はビール1杯なら運転OKだったけど今はダメだからね!」っていう内容なんですが、昔はよかったのかよ!と言わずにはいられません。
そうこうしていると見学開始。我々以外には2人が参加。もう一人予約は入ってたらしいが、来ていないとのこと。同じ飛行機だったんですかね。振替せずにリファンドして帰っていった人たちもいたので、その中の誰かだったのかもしれません。
蒸留所見学は、お決まりのコースで製造工程に合わせて移動していきます。フロアモルティングをたまにやっているので、その辺の説明があったり、多少他の蒸留所と違います。が、2時間みっちりやるでもなく、40分くらいで終了。そのまま貯蔵庫に向かいます。
貯蔵庫に入ると、樽が3つ並んでいて、説明員の女性がそれぞれの中身をピッチャーに汲み取ります。で、まずは好きなだけ飲め、そして最後に好きなものを一つ詰めて帰るんだ、と。そう、2時間のコースはほとんどこの試飲タイムなんですね。まあ、60£払っているので当たり前といえば当たり前。
説明員とグダグダ話しつつ試飲というよりは普通に酒をかっくらう感じです。その時あったのは16年物のシェリーと、10年以下のバーボン樽×2.ん?これって選択肢あるの?シェリー1択じゃない?とか思いつつ飲み比べてもやっぱり答えは変わらない。ただ、嫁と二人で同じのを詰めるのもどうなの?という意識が働き、片方はバーボン。一緒に参加していたフランス人っぽいやつらは普通にバーボン樽を選択していた。なぜ?
こんなに好きなんですよってことで左の写真(一応、200周年のボトルをコンプリートしているはず(定番品の200周年ラベルは除く))をスタッフと外国人二人に見せてみました。マジかよって感じで驚いていましたが、その後、この中でどれが一番好きかという話になってまあ、21年だねっていう話をしたら、スタッフもまあ、やっぱり21年が一番いいねと言ってました。
まあ、この時蒸留所の売店には普通に売れ残っていたわけですが(無論、買い足しました)。
売店はカウンターで試飲ができます(頼むとなんか出てくる)。10年のカスクストレングスや、21年、25年なんかが売られていました。んで、その奥に行くと、展示コーナーとFoL(Friends of Laphroaig)のコーナーがあって、会員IDを入れると自分に割り当てられた1フィート分の土地の場所が表示された紙が出てくる。これを売店のカウンターに持っていくとラフロイグ10年のミニチュアがもらえる(で、その後に旗を立てに行く、と)。あいにく、飛行機のトラブルのせいで土地を見に行く余裕は全くありませんでしたが、時間のある時に来たら旗立てに行ったんだろうなぁ。