作成日:2018/10/19
交通の便は良い一方で自然にも恵まれた印象
地域:日本、大阪府三島郡
訪問時期:2009年11月、2016年11月
ステータス:稼働中
見学:可。予約は必須。有料セミナーもある。
有料試飲:有
行ったことがある人はご存知でしょうが、とにかく交通の便が良い。竹鶴政孝が余市に蒸留所を作りたいというのを嫌い、ここに作ったのは商売的には非常にうなずける話です。余市は遠い、とにかく遠い。小樽まではまだしも、そのあとが1時間に1本しか電車がなく、多くの訪問者を驚かせたことと思います(実は小樽からは10分に1本バスが出ていて、蒸留所の前まで一本で行けるので、実際にはそんなに交通の便は悪くない)。マイウイスキー作り参加しましたけど、集合時間14:00でしたからね。こちらは京都に近い(住所は大阪府だけど)ので、ビジネスで来た外国人が見学に来たがるらしいです。2009年に行ったときに、一緒に見学に行った方は「外国人の寺巡りと祇園、先斗町に飽きたので蒸留所見学は楽しい」と言われていたので、時代の流れもあるのかもしれません。
ハイボール人気が出る前から、この蒸留所だけはコース見学の事前予約が必須でした。希望する時間の予約は取れないくらいに混んでいました。今は入場自体にも予約が必要です。時代は変わるもんですね。予約必須とは書きましたが、以前はホームページでクーポンを印刷して持っていくと、蒸留所名の入ったロックグラスとかもらえたんですが(白州もやってました)。
山崎蒸留所は観光施設としてもよくできていると思います。他の蒸留所は、見れない設備があったり、後ろの方だと話が聞こえないなんてことがあるんですが、ここはそう感じなかった(あくまで個人の感想です)。実際見学したのは1回目の時だけなので、今がどうなっているかは不明です。2009年に行った際は、見学は40分+40分(前半行程案内、後半試飲)でした。見学客はほとんどご年配の方で、「見学はいいから早く飲ませろ」って感じだったのが印象的でした。当時は見学無料でしたので近隣の方がタダ酒飲みに来ていたようです。当時は見学コースの試飲は時間内飲み放題で、山崎、白州ともに12年が飲めたので、飲みに来たくなるのも分かりますが。
ただ、匂いは演出しすぎているんじゃないかなぁ、と当時も思いました。発酵、蒸留、熟成の工程がそれぞれ、ビール、焼酎、ウイスキーの匂いがするんですよ。発酵、蒸留はまあ、あり得るかもなと思わなくもないですが、熟成庫が酒臭いって漏れちゃってるんじゃないの?とまだまだあまりウイスキーを体験していなかった私でも思いました。
蒸留所は国内はそこそこ行った(山崎、白州、余市、宮城峡、軽井沢、秩父、駒ケ根、安積)ので、比較表なんかも作ってみたいですね。
実は2回目の訪問時が初体験でした。1回目に行ったときは有料試飲という概念がなかった、というか無料試飲ですでに酔っぱらっていた+お土産で6種類くらい蒸留所限定の山崎が買えたので、買えば試飲しなくていいんじゃない?くらいの感覚でした。ラインナップは充実していて、原酒や過去の限定品、25年など、通常は手が出ないアイテムも多く試飲できます。
ちなみに、サントリーは小売価格は結構マージン載せてるみたいですが、その一方で、こういった試飲コーナーとか、系列の飲食店には安く卸しているみたいです。特に裏を取っているわけではないんですが、飲食店の価格設定を見るとそうとしか理解できないことが結構ありました。Rose&Crownとかでは顕著で、響17年(当時ボトル8000円くらい(定価は10000円か12000円だった))が800円なのにラフロイグ10年(当時4000円前後、サントリーの希望小売価格で10000円)が1300円とか、絶対値的にも相対的にもちょっと信じられない値段がついてました。
蒸留所限定のシングルモルトは300mlでかつては1300円で、N/A(年数表記なし)としては非常によくできていた印象だったのですが、今は運良く買えても一人1本、そして味も(試飲した限りは)微妙でした。試飲アイテムについては珍しくFacebookにコメントを残していたので、以下に掲載します。
普段コメント残さないんですが、まじめに書いてみようとした記憶があります。おばさんたちが横でワイワイやってたので、集中していたかというと怪しいですが。以降やたら鉛筆が出てきますが、本来山崎はそんなテイストじゃない、はず。
1杯目:蒸留所限定シングルモルト
以前(2009年)に買ったものより香りは若々しい感じ(ツンと来るまでではない)。角瓶に通ずる甘い感じと、鉛筆のような香り(ちなみに鉛筆はどちらかというと好きな方です。厳密にいうと芯の黒鉛のニュアンス)。味は香りと同じく若々しい感じで、アルコールのピリピリ感。バニラ感は強くなく、やはり角瓶のニュアンス。加水すると樽香。ピートはある、のかなぁ?(ここは怪しいです)
2杯目:山崎12年 ミズナラ原酒
香りは一杯目と比べてアルコールのツンとした感じが減り、鉛筆感若干増し。ドライフルーツ?うまく表現出来ませんがこもった感じ。アタックは原酒だけあってアルコールの強い感じ、ドライフルーツ入りケーキ。癖は強くない分意外と飲みやすい。加水するとバニラ感と樽っぽい感じが出てきます。マッカランに似た、喉を通る時に少し焼け付く感じも出ます。
3杯目:白州12年シェリー原酒
香りはいわゆるシェリーカスク(もはやコメントになってません)、香りの段階で甘みを感じます。少しだけ硫黄っぽさを感じます。レーズン?飲むとアルコールの強さはアタックではあまり感じず口の中で徐々に強まる感じ、干しぶどうの渋味、シェリー樽特有の甘さ、硫黄感はなし。加水するとアルコール感、若干の硫黄。
4杯目:山崎18年
香りはシロップに漬け込んだドライフルーツ、アルコール感は度数に対して強く感じる。味はまろやか、かつ繊細な甘さで、仄かな余韻が残り続ける。アルコール感は香りほどには感じない。G&Mのストラスアイラ25年を思い出す。もともと加水のため、加水すると、全般的に平べったくなる。ここで微かに硫黄。
5杯目:山崎25年
香りは穏やかではあるが圧倒的なシェリー樽の感じ。熟成のピークは迎えていない強さを感じる。味は18年を煮詰めた感じ。昔のG&Mの長熟でよくあった(特にグラントとか)、完全に樽の味になってんじゃね?というテイスト。鉛筆感はMaxになっております。響では鉛筆を感じないので、鼻のせいではない、と信じたい。加水でも18年のように薄っぺらくならない。自信ないですが、黄桃エキスが煮詰まって、そこからえぐみと樽感を引いたらこの味になるかなぁ、みたいなニュアンス。
6杯目:響 原酒 スモーキー
香りは、まず強烈なピート(強くは感じますが刺激臭ではないです)。いわゆるスモーキーというより、薬っぽさを感じる、いわゆるラフロイグのピート感に近い印象。味はラフロイグに似たアタックの後に徐々にカリラ特有(と私が思っている)草っぽい感じと、舌にざらっと残る感じ。余韻は短くスパッと切れる。シロップの甘さ。っていうかやっぱりラフロイグ入ってんじゃ。。。
加水すると香りからはピートが大分減退します。味はシロップ感が前面に。私があまり好きでないカリラ感も残ります。
左から
山崎12年ミズナラ原酒
蒸留所限定シングルモルト
白州12年シェリー原酒
左から
山崎18年
響原酒 スモーキー
山崎25年