作成日:2021/8/31
900本とかありえない本数に見えますが、500mlボトルなので、ありえないこともない。
メーカ:Chivas Brothers
地域:イギリス、スコットランド、スペイサイド、ストラスアイラ蒸留所
ステータス:(限定品のため表記なし)
容量:500ml
価格:10000円くらい(送料、税金別)
タイプ:シングルモルト、シングルカスク、カスクストレングス
年数:13年
度数:58.4度
点数:88点
テイスティング的なコメント:香りはレーズン、シェリー樽、フルーツケーキのリンゴ。土っぽさ、黒鉛、チョコレート。口にすると、シェリー、若干のサルファーの後にアーシー。リンゴ、ハチミツの混ざった樹液、かすかにシトラス。飲みごたえは強い。少量の加水でマジパン?余韻は口の中にふくよかなシェリー香が残る(グレンドロナック的な)。ナッティ。
飲んだ場所:自宅
その他コメント:アベラワー アブーナと並ぶ、スペイサイドのシェリーの典型といっていいお手本のようなシェリーカスク(バットだけど)。
いつの間にやら終売になり、スプリングバンクの10年と並び、国内で訳の分からない値段になっている感のあるストラスアイラ。シーバスのキーモルトとして知られてはいますが、それを知っていて買っている人はどれくらいいるのか。G&Mからのリリースもめっきり減ってきており、もはやハウススタイルも何もない状況ではあると思います。筆者は新婚旅行で訪問した蒸留所なので、感慨深いものはありますが、一緒に行ったはずの配偶者は「なんか見覚えのあるような気がしないでもない」と残念な答え。まあ、それくらいマイナーな蒸留所ではあります。
蒸留所限定(といっても実際にはある程度は出回っている)のこのボトル、日本国内ではそれほど見かけないものの、記憶にあるだけでも、アベラワー、ブレイヴァル、グレンリベット、ロングモーン、スキャパ、グレンバーギ、ストラスクライド、グレンキースとまあまあ出ています。ものすごい当たりがある印象もありませんが、蒸留所のスタイルに近く、それほど法外な値段でリリースされるわけでもないので、比較的買いやすいボトルではあります。
このボトルはWhisky Exchangeで購入したもの。結構前からあることから、900本強のボトルをほぼ全て抱えているのではないかと予測します。ただ、抱えるだけのことはあって、かなり王道、というかスタンダードな、今となっては逆になかなか出会えない典型的なシェリーカスクのウイスキーの味がします。ボトリングは2019年なので、いまだに購入できるということが逆に驚きではありますが、注目が集まるボトルばかりが高騰する現在の市場の状況でひっそりと売られているいいモルトだと個人的に思います。
こういうボトルが中々売り切れない中、謎の前評判でさっと売り切れてしまうものもあったり、そういう意味ではウイスキーはまだまだ未熟な市場(正確には未熟な地域が多い、のだと思いますが)なのかと考えさせられます。